梅雨時はつらいよ
梅雨の時期になると、中学校の校舎を思い出します。
私の通っていた公立中学校は、ローカル線の駅こそ近くにありましたが、周りを田んぼに囲まれ、そばを川が流れているのどかな田舎の学校でした。
校舎は木造で、私が通っていた頃は随分と築年数が経過しており、ボロボロでした。
最大の問題は梅雨の頃、雨が降り続くと起こります。
天井の保水力が限界を超えると雨水が教室に落ちてきます。
この時期、バケツと雑巾は欠かせません。
雨漏りしたら、落ちてきたところにバケツを置いて当座をしのぎます。
いつものことなので、生徒たちも騒ぐことはありません。
先生も生徒も粛々と授業を続けていました。
雨漏りの後も問題です。
天井が湿っているので、そこから植物が生えてきます。
キノコです。
えのきやしめじのようなキノコ類を想像いただければよろしいかと思います。
こんなのが天井からニョキニョキ生えてくるのですから、なんともおぞましい光景です。
ぜもみんな慣れっこですので、やはり騒ぐことはありません。
こんなものだと皆あきらめておりました。
父兄も不衛生だと騒ぐことはありません。
なんとものどかな時代だったのですね。
オンボロ校舎は町役場に
私が卒業してから数年後、中学校は近くの土地に移転し、そこに新しい校舎が建てられました。
行政も状況は問題視していたのですね。
だったら、もっと早く建ててくれよ。何で私たちがこんなぼろ校舎で学ばなければならなかったんだよ!
と思っても後の祭りです。
オンボロ校舎は中学校が移転した後も、町役場として使われました。
直ぐには建て替えられなかったと記憶していますので、役場の人たちも大変だったでしょうね。
その後庁舎は建て替えられ、浜松市に編入された今は、浜松市の北区役所となっています。
一応、政令指定都市の区役所ですが、周りの風景は中学生時代と大きくは変わっていません。
相続の手続きで何度かお邪魔しましたが、建て替えられた建物も結構古くなっていました。
私が中学を卒業してからもう53年も経過しているのですから、当然です。