リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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年金繰り下げ待機に恩恵あり

年金の繰り下げ待機中は一括請求もできる

週刊朝日にまた年金繰り下げの記事が掲載されていました。

70歳超で死んだら年金繰り下げの恩恵なしという記事です。

news.yahoo.co.jp

少々わかりづらい記事です。

1回読んだだけでは意味が分かりませんでした。

分かりずらかったのは私が次のことを理解していなかったためです。

〇65歳になって年金受給権が発生しても請求していなければ、未支給年金(65歳から請求時点迄の分)を一括請求できる。(さかのぼり請求)

日本年金機構の下記ホームページの「厚生老齢年金繰り下げ請求にかかる注意点」の7に下記のことが書かれています。

「繰下げによる増額請求」または「増額のない年金をさかのぼって受給」のどちらか一方を選択できます
繰下げ請求をせず、66歳以後に65歳にさかのぼって、本来支給の年金を請求することもできます。70歳到達(誕生日の前日)月より後に65歳時にさかのぼった請求が行われると、時効により年金が支払われない部分が発生します。必ず70歳到達月までに請求してください。

老齢厚生年金の繰下げ受給|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

本来、一括請求とは年金受給権が発生しているにもかかわらず、請求手続きを失念した人の救済措置として設けられたものですが、繰り下げ受給による支給額増加を期待して受給開始を延ばしている人にも適用されます。ただし繰り下げによる増額は認められず、65歳時点の金額で計算されることになります。

繰り下げ受給は請求して繰り下げ受給が開始された時点で繰り下げが確定するのであり、請求していない(年金の受給を受けていない)時点では繰り下げは確定していないということです。

〇未支給年金がある人が死亡した場合、遺族にその分が支給される。年金の繰り下げ受給を意図して請求をしていない分も未支給年金として同様の扱いを受ける。

年金を受けている方が亡くなったとき|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

〇年金の消滅時効は5年である。

年金の時効|日本年金機構 (nenkin.go.jp)

未支給年金も5年分しか受け取れないことになります。

年金は70歳迄には貰った方が・・・

週刊朝日の記事は来春から始まる年金の繰り下げ上限年齢拡大(75歳迄可)に際し、上記の視点から問題点を指摘したものです。

年金の時効は5年ですから73歳になった時点で一括請求をすると3年分は貰えず、65歳時点での年金額の5年分が貰えます。その後支給される年金も65歳時点での額となります。

これを73歳の5年前、68歳時点で繰り下げ請求したとみなして、一括請求は68歳になった時点の年金(65歳より25.2%増)の5年分を払い、その後も68歳時点の年金を支給することが検討されているということです。

ところが、73歳で亡くなった場合はこの改正案が適用されず65歳時点の年金の5年分しか支給されないから不公平だと主張しています。

少々気の早い話で、法改正はこれからですから、確定してから対応を考えればよい話と思います。

そもそも70歳を超えて一括請求すれば時効分は払われませんから得ではありません。一括請求も選択肢として残すなら、70歳迄に請求した方がよいと思うのですが・・・

年金の繰り下げ待機中は選択肢が増える

週刊朝日の記事の是非はさておき、この記事を読んで私は年金の一括請求ができることを知りました。

年金の繰り下げ受給について書かれた本やインターネットのサイトは結構ありますが、一括請求に触れているものはあまり見かけません。

多くは生涯受取額を比較したうえでのメリット、ディメリットにページが割かれています。

65歳になったら、年金の受給を開始するか繰り下げ受給をするか選択しましょうというのが主です。

実際には3つの選択肢があります。

  1. 年金の受給を開始する
  2. タイミングをみて70歳になる迄に一括請求する
  3. 年金受給を繰り下げ、月々の受給額を増やす

1と2では金銭的なメリット、ディメリットはほとんどありません。(65歳から年金を受給した方が運用益が出ますが、今の低金利状況ではそれほど差はでません)

2と3のどちらかを選ぶとするなら、65歳になっても年金を請求せず待機しておいて、70歳迄に決めればよいことになります。

65歳時点で生活設計上年金受給が必要である方を別とすれば、とりあえず請求せず待機しておいて、その後の状況変化をみて対応した方が何かと有利に思えます。

もし

  • 一時的にまとまったお金が必要になった
  • 大病を患い、長生きするのが難しくなった
  • 予想以上に生活費がかかっている
  • 年金制度の改悪が議論され、先に貰った方が有利な状況が生じた
  • 65歳以降も仕事を続けていたが、退職せざるをえなくなった

といった事態が生じたら改めて検討すればとよいわけです。

その場合の選択肢は

  1. 一括請求をする(まとまった金は入りますが、その後の受給額は65歳時点の額です)
  2. 年金受給を開始する(増額された年金が受け取れます)
  3. 70歳迄待って、もっと月々の受給額を増やす

の3つとなります。

65歳からの5年間は結構いろいろなことがありますから、その状況をみて年金を受け取り方法を考える方が有利かと考えています。

私も68歳で年金は待機の状態です。基本的には70歳時点で受給開始を考えていますが、70歳迄の1年半の間に状況が変わることがないとはいえず、その場合は上記を踏まえ対応することになります。

記事本来の趣旨とは違いますが、年金の知識が浅い私にとっては役に立つ記事でした。