家族の被扶養者になれればよいが・・・
会社を退職した後も健康保険に入る必要があります。
リタイアする予定であれば、選択肢は三つです。
- 配偶者や子などの扶養家族になる
- 退職した会社の健康保険の任意継続者になる
- 国民健康保険に加入する
どれを選んでも70歳迄の自己負担額は3割です。
保険料で最も有利なのは1の家族の被扶養者になることです。
対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満であることが被扶養者の条件となっています。
自身の保険料負担はありません。
年金が180万円未満の方や、年金を繰り下げ受給の予定で受け取っていない方は、検討の余地があると思います。
どこの健保組合も収支が厳しいので、簡単に対応してくれるかどうか不明な部分はありますが・・・
なお、75歳になると自動的の後期高齢者医療制度に加入するため、家族の被扶養者を続けることはできません。所得が基準をオーバーしても同様です。
国民年金加入か任意継続か?
家族の扶養に入れなければ、退職した会社の健康保険の任意継続者になるか(ただし2年間)、国民健康保険に加入することになります。
ちなみに私は退職後国民健康保険に加入、1年目の保険料は155,020円(サラリーマン時代の年収で計算される)でしたが、2年目の今年は年金の切り下げを選択していることもあり、15,650円にまで下がりました。
どちらが有利かは2年間の健康保険料の比較になります。
ただ、会社の健康保険は加入している健康保険組合、国民健康保険は住んでいる市町村によって、保険料率が違ってきます。また、所得や扶養家族の数によっても保険料は大きく変わってきます。
そこで会社の健康保険は全国健康保険協会(協会けんぽ)、国民健康保険は名古屋市を例にとって比較してみました。(保険料の算出は結構大変なので、計算違いがあればお許しください。あくまでも素人の参考資料ということで・・・)
協会けんぽで任意継続する場合、退職時の標準報酬月額が基準となります。
5.保険料と納付方法 | こんな時に健保 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
愛知県の任意継続者の保険料がこちらにでています。
23aichi.pdf (kyoukaikenpo.or.jp)
現時点では標準報酬の上限は30万円となっています。
2年間、保険料は原則変わりません。
計算のベースとなる所得は前年が基準となります。
これをベースに任意継続と国民健康保険に加入した場合の保険料を比較してみました。
夫と妻の二人世帯、共に65歳以上で働いていません。
給与は夫の退職時の額で、前年も同額としました。(賞与はないと仮定しています)
国民健康保険の方が35万円くらいまでは保険料が少なくなっています。
これを超えると任意継続した方が有利になります。(月額給与30万円で任意継続の給与は打ち止めとなるため)
ただ、扶養者が多い場合は、任意継続は保険料が変わらないのに対し、国民健康保険料は均等割り分が人数に比例するので負担が大きくなります。
なお協会健保は保険料が変わりませんが、国民健康保険は前年の年収に基づき、1年毎に保険料が見直しとなります。
リタイアすると収入は年金だけとなるのが普通であり、所得が下がります。
年金所得は下記で算出されます。
これをベースに夫婦二人世帯の国民健康保険料を計算したのが下の表です。(便宜的に妻の年金収入は基礎年金だけの78万円としています)
通常、保険料は大幅に下がります。
任意継続と国民健康保険の比較については、2年間を通算することが大切です。
また国民健康保険料は前年の所得をベースに計算されるため、退職時期が影響してきます。
11月に退職すると、国民健康保険の料率は1年目は前年、2年目は本年の収入がベースとなり11月迄働いていたため、本年の収入も高く、2年目の保険料もあまり下がりません。
いずれにしても、保険料の比較は結構ケースバイケースとなるため、会社や役所に確認しつつ判断することが重要と思います。