リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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不要な土地を処分する

山を処分しようと市に寄贈を申し出たが・・・

私が勤めていた会社は設立後70年以上を経過しているだけあって、所有している不動産も取得時期が古く結構な含み益があるものもありました。

その一方で、何の役にも立たず、処分に困るものもあります。

私が入社した時(銀行から出向)、保有土地の明細を見ると、岐阜県に1万坪の山を保有しています。簿価は4,000万円です。

経緯を聞くと、不良債権の弁済分として取得したようです。簿価の4,000万円は不良債権の金額で山の資産価値とは関係ありません。

当然ながら事業に役に立つものではありません。山ですから簡単には行くこともできず、境界すら明確ではありません。登記簿上は1万坪とありますが、実測するともっと狭いようです。

固定資産税は年間1万円くらい賦課されていました。

保有し続けても宝の山に変わることは99.999%ありえず、火事や山崩れとかあったら管理責任を問われかねないなど何かと面倒です。買い手も当然いないので、山が所在する市に寄贈を申し出ることにしました。

結果は「寄贈の申し出は辞退します。」という簡単な通知が市から届き、断念せざるをえませんでした。

ただ価値のない資産を計上しておくのも会計上問題があり、4,000万円の特別損失を計上して山の簿価を0円に引き下げる減損処理を実施しました。

実際に売却した訳ではないので、税務上は損金とは認められません。

費用はかかったが、山は売却できた

それから10年近くが経過、会社の収益力も上がり、税務対策が課題となってきました。

そこで目をつけたのが山の処分です。実際に売却すれば4,000万円の損金を計上することができ、納税額を少なくすることができます。(会計上は処理済みなので損金は発生しませんが、税務上は損金として計上できます。)

懇意の不動産業者に相談しましたが、タダでもいらないという返事です。(寄贈を断られた土地ですから当然です。)

何か方法はないかと尋ねると、まず山の有効活用(ないしは売却)の検討ということで調査料を払って欲しい。現実的には有効活用も売却も困難という結論が出るだろうから、その場合は不動産業者がごく安価で買い取るということでどうかというのです。

最終的に、会社が調査料を100万円払い、1万円で買い取ってもらうというということで話がまとまりました。不動産業者としても売れない土地を長期期間抱えて固定資産税を払うことになるので、このくらいの調査料は欲しいという話です。

産業廃棄物を処理するために、廃棄料を払うのと同じパターンです。

税理士に問題はないかと確認すると、市から寄贈を拒否されていることから、1万円で売っても贈与にはあたらないという回答。ここで市に寄贈を申し出ておいたことが効果を発揮したのです。

調査料を払うことについてもきちんと契約を締結していれば問題ないという返事でした。

ということで、処理に困っていた山を何とか処分することができました。

今後の固定資産税の負担がなくなるだけでなく、損金計上により1,600万円くらい納税額を減らすことができました。