高齢者の医療保険加入
最近よくCMで見かける医療保険。
特に高齢者向けのCMが頻繁に流されています。
ちなみに私は生命保険のオプションで付いていた医療保険に加入していますが、80歳以降は付保できません。
ただ、こちらのサイトを見ると、高額療養費制度があれば医療保険はいらないと書かれています。
病気になったとき頼れるものの1位は健康保険、2位が貯蓄や家族の収入、3位が民間の医療保険だというのです。、病気になったときに備えられる貯蓄があるなら、民間の医療保険はなくてもいいくらいです。なぜなら健康保険には高額療養費制度があるからです、と書かれています。
私なりにこの話を検証してみたいと思います。
高額療養費の概要
高額療養費制度については、国民健康保険加入者はこちら
後期高齢者医療制度に加入の方はこちらが適用になります。
冒頭の医療保険はいらないというサイトにでてくる限度額57,600円というのは、70歳以上の課税所得が145万円未満で住民税非課税世帯以外の人(一般)の区分です。
限度額57,600円は外来と入院を合わせた上限で、外来だけだと18,000円が1か月の自己負担の上限となります。
一方、課税所得が145万円以上になると、外来のみの限度額はなくなり、外来+入院に一本化されます。
課税所得145万円以上380万円未満の人の限度額は
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
となります。
この場合の医療費は自己負担分ではなく、実際の医療費です。
癌の治療で月100万円かかったとすると、
80,100+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円が限度となります。
がんの治療費はいくらかかる?最新の治療傾向と公的制度から紐解きます | 保険のぜんぶマガジン|保険相談・見直しのきっかけに。 (hoken-all.co.jp)
なお、1年間に3回以上高額療養費の支給対象となった場合は、4回目からは限度が44,400円に(区分一般と同額)に下がります。
更に、高額医療・高額介護合算制度というのがあり、75歳以上の場合は課税所得380万円未満であれば、1年間(8月~翌年7月)の医療費と介護サービス費の両方の自己負担額を合算して年間67万円が限度となります。(年収145万円未満の場合は56万円が限度)
申請で負担が軽くなる!「高額医療・高額介護合算療養費制度」 | くらしのお金ニアエル (niaeru.com)
以上、70歳以上の人の高額医療費をまとめたのが下記表です。住民税非課税世帯、及び課税所得が380万円以上の人は除いています。
問題は公的医療保険適用外の費用だが・・・
医療費については自己負担上限がありますので、その何倍かの額が医療費分として蓄えられていれば医療保険に入らなくても大丈夫そうです。
問題は入院時の食事代や差額ベッド代といった公的医療保険適用外の費用です。
入院時生活療養費としては1食460円の食費と1日370円の居住費がかかります。(1か月で53,000円程度)
差額ベッド代についてはこちらをご覧ください。
差額ベッド代は結構な費用がかかりますが、絶対的に必要なものではありません。(患者側が選択しなければよい)
ちなみに妻は結構大学病院に入院していますが、手術時を含めいつも4人部屋です。
個室だとベッド自体がなかなか空きません。
あえて医療保険に入らなくとも
こうしてみると、あえて年を取ってから医療保険に入る必要性は乏しいと思えます。
冒頭紹介したサイトでは、「夫婦2人分の万一の時の医療費として、決めた口座に2人分で200万円ぐらい預金しておけば安心できるのでは」とありますが、高額療養費を考えれば納得できる話です。
こちらのサイトでも300万円くらいあれば対応可能と書いてあります。(最後の方)
私自身もその程度の貯蓄なら問題ないので、新たに医療保険に入ることはしないつもりです。