弟妹の老後問題
弟は現在一人で生活しています。
10年以上前に離婚、別れた奥さんとの間には子供が二人(長男と長女)います。
離婚時点で成人に達していたので親権の問題はありませんが、離婚後は子供との接触はほとんどないようです。特に長男とは一度も会っていないようです。
そのこと自体はこちらからどうこう言う筋合いではありませんが、弟が亡くなった場合は子供が法定相続人です。その時私が生きていたとしても(私が5歳年上なので先に私が亡くなっていると思いますが)、遺体の引き取りや葬儀、埋葬等は子供の意向が優先で私の出る幕はありません。
また老人ホームへ入居する際や病院に入院する時には保証人を求められますが、子供が保証人になってくれれば安心です。
そんなこともあり先日父の三年祭で会った時、弟に話をしました。
「子供とは親しくなくても、万一に備え常に連絡を取れる状態にしておいたらどうか。私に頼られてもできる事はほとんどない。」
これに対し弟は子供との関係改善については極めて消極的な旨が伝わってきました。
まだ先の話なので、こちらからこれ以上は言えません。
同じ問題は妹にもあります。現在はご主人と二人暮らしで子供はいません。
もしご主人が妹より先に亡くなるとこちらも一人暮らしになってしまいます。こちらは子供自体がいませんから、頼るのは兄弟という事になります。
私個人としては弟妹とは離れて住んでおり、妻の介護もあるので弟妹の老後問題についてはあまり関わりたくないというのが本音です。
とはいえ相談されれば放っておく訳にもいきません。
さしあたって気になるのが老人ホームへ入居する際や病院に入院する時に求められる保証人です。
老人ホームでは保証人を求められる
多くの老人ホームでは契約時に保証人を必要になります。
【トラブル事例あり】老人ホームの契約に必要な保証人とは?身元引受人との違いを解説|みんなの介護 (minnanokaigo.com)
上記サイトには介護付き有料老人ホームの9割近くが入居時に第三者の身元保証人を立てる必要があると紹介しています。
老人ホームの保証人には連帯保証人と身元引受人があります。
母が介護付き老人ホームに入居する際は私が入居契約書の連帯保証人と身元引受人欄に署名捺印しました。
契約書上の連帯保証人の条項には「事業者との合意により入居者と連帯して本規約から生じる入居者の金銭債務を履行する責任を負う」と書かれています。
一方、身元引受人としては「契約終了後(死亡後)身元引受人が入居者の遺体及び遺留金品を引き取る」ことが記載されています。
連帯保証人としては老人ホームの入居費用の精算が主ですので大きな負担は生じませんが、遺体の引き取りはその後の葬儀ともかかわってきますので注意が必要です。
もし、弟妹から老人ホームの保証人を要請された場合、結構悩むところです。
弟から要請があった場合はまず子供に頼めと言うと思います。
もっともその時は私もかなり高齢ですから、保証人の要件を満たさない(保証人になれない)可能性の方も高いと思いますが・・・
保証人がいない場合は?
どうしても保証人を用意できない場合は
①保証人がいらない老人ホームを探す
②成年後見人サービスを利用する
③身元保証人サービスを利用する
といった方法を模索することになります。
①はコストがかからないことが利点ですが、入れる老人ホームが限られてしまいます。
下記サイト(公益社団法人 全国有料老人ホーム協会の調査)でも、約1割の老人ホームで保証人が不要、または保証人が不要の可能性があると書いてあります。裏を返せば約1割の老人ホームしか選べないことになります。
②の成年後見人も全ての老人ホームで利用できる訳ではありません。
どちらかというと認知症や知的障害、精神障害のため判断能力が不十分な人のための制度です。
法定後見制度を利用する場合は手続きも面倒で初期費用がかかる他、毎月2~6万円の費用もかかってきますので、誰でも気軽に利用できるものではありません。
成年後見制度の手続きの流れとは?必要書類や費用も徹底解説 (legalestate-kazokushintaku.com)
③の身元保証人サービスを行う事業者は近年急増中で、利用者も1万人を超えるようです。
ただ必要な費用は数十万円から200万円程度かかるようです。
こちらの業者のサイトでは費用として140万円が提示されています。
https://www.senior-ssc.com/service/identity
費用の問題以外にも上記NHKのサイトでは、運営や契約の方法が事業者任せになっていて、全国の消費生活センターなどには相談や苦情が寄せられているということが書かれています。業者選びにも神経を使わなければいけないようです。
こうしてみると、早めに身内から保証人になってくれる人を探しておく方がよさそうです。
やはり弟の場合は、本人は気が進まないとしても子供に頼むのがよさそうです。
入院にも保証人が必要
老人ホームだけでなく、病院に入院する場合も身元証人を求められることが多いようです。これ迄健康で病院と縁のなかった人でも高齢になれば治療や手術で入院せざるをえない場面が増えてきます。
保証人がいない場合には
①連帯保証人以外の選択肢がないか医療機関に確認する。(クレジットカード番号の登録、入院預り金等)
②自治体や地域包括支援センターに相談する
③成年後見制度を利用する
④民間の身元保証サービスを利用する
といった方法を模索することになります。こちらも結構大変です。
弟妹のことはさておき、私自身は子供が3人もいてよかったとつくづく思う次第です。