リタイアおじさんのシニアライフ

69歳、リタイア後は自適の生活ができると思いましたが、要介護5の妻を支える毎日です

年金繰下げは奥さん優先で検討?

年金繰下げの留意点

私は老齢厚生年金を4年繰下げ、今年から受給を開始しました。

貰える年金額は65歳時点で受給した場合に比べ1.336倍になります。

ただ、年金を繰下げ受給している人はあまりいません。

令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 (mhlw.go.jp)

上記厚生労働省の資料によると年金繰下げを選択する人の割合は年々増えていますが、それでも令和2年度で1.0%にすぎません。

上記厚生労働省のPDFより

そんな状況を気にしてかどうかは分かりませんが、今年4月から年金の繰延べ開始年齢が75歳迄延長されました。

www.moneypost.jp

5年間繰下げれば受け取れる年金月額は65歳で受け取る場合に比べて1.42倍、10年繰下げれば1.84倍になります。

ちなみに、65歳以上で厚生年金(基礎年金を含む)を受け取っている人の年金受給額は男性が170,391円、女性が109,205円です。

financial-field.com

65歳時点で17万円の年金を受け取れる人は70歳迄繰下げれば241,400円、75歳迄繰下げれば312,800円にまで年金を増やすことができます。

ただし、年金を受け取る迄の生活費は貯蓄を取り崩すなり、働くなどして賄わなければなりません。70歳迄ならまだしも、75歳となると極めて高いハードルです。

もう一つの問題が早死にするリスクです。

下記のグラフは平均的な厚生年金(65歳時点で月17万円)を受給する権利のある男性が、繰下げをしない(65歳から受給)、70歳から受給、75歳から受給をした場合の累計の年金受給額を計算したものです。

85

70歳から年金受給を選択した人は81歳の終わりころにやっと65歳から年金を貰い始めた人と累計の年金受給額が同じになります。

75歳から受給を始めた人については85歳の終わりころまで生きないと、65歳から貰い始めた人に累計額では追いつけません。

では日本人の平均寿命が何歳かというと、男性が81.47年、女性が87.57年となっています。

www.satsuki-jutaku.jp

男性の場合5年繰下げなら平均寿命と同じくらい生きれば元を取れますから、想定外に長生きした場合のリスクヘッジとして意味があると思いますが、10年繰下げとなると平均寿命より4年長く生きないと元が取れません。

5年繰下げした人と10年繰下げした人の累計年金受給額が同じになるのは90歳の終わり頃です。男性で90歳迄生きる方はそうはいませんので、繰下げるにしても5年以内にしておくことが無難そうです。

それに加え年金の月額があまりに多くなると社会保険料介護保険料、健康保険料)や税金の負担が大きくなる他、医療保険介護保険の自己負担割合や高額医療費や高額介護サービス費の上限額等で不利な扱いを受けますので、得策ではありません。

加給年金の問題も

夫婦の場合はさらに加給年金の問題がでてきます。

加給年金は、厚生年金の被保険者が65歳に到達した時点で、被保険者が扶養する子供や配偶者がいる場合に支給される年金のことです。

www.navinavi-hoken.com

夫が65歳になって年金受給を開始した場合、妻が65歳になる迄加給年金(配偶者が昭和18年以降の生まれであれば年額約38万円)が支給されます。

ただし夫が年金の繰下げを選択していると加給年金は支給されません。

私は妻と1歳違いなので繰下げを選択しましたが、奥さんと年齢が離れている場合は安易に繰下げを選択しない方が得策です。

奥さんは繰下げ検討の価値あり

これに対して奥さんの方は状況が違います。

〇妻の方が貰える年金が少ないのが普通(平均厚生年金受給額は男性が170,391円に対し女性は109,205円)

〇妻の方が長生きするのが普通(平均寿命は男性が81.47年、女性が87.57年)

〇妻の方が年下のケースが多い(夫が亡くなってから生きる時間が長い。)

夫婦が平均寿命通り生きた場合、妻が夫より5歳下だと夫が亡くなってから11年くらい一人で生きることになります。

もし夫婦の厚生年金額が平均と同じ夫17万円、妻11万円とすると、夫が亡くなった後、残された妻は自分の厚生年金11万円と遺族年金(7万円くらい)の18万円で生計を立てていかねばなりませんが不安も残ります。

そこで妻の方が年金の受給を5年間繰下げれば厚生年金額は156,200円になります。

本来の厚生年金と遺族年金に、繰り上げ分を加えると年金額は226,200円と繰下げをしない場合に比べ月46,200円増えます。

女性の方であれば90歳を超えて元気な方も結構いらっしゃいます。(うちの母も92歳でまだ元気です)これだけあれば想定外に長生きしても何とか一人で暮らしていけそうです。介護施設に入るとしても特別養護老人ホームや比較的料金の安い老人ホームなら入れそうです。

奥さんこそ年金繰下げを検討したらいかがでしょうか。