まずは墓参りをしてから
昨日は母の入居する老人ホームを訪問してきました。
目的は先日のブログのに書いた通り、退去を希望する母を説得することと、母のお姉さんに万一のことがあった場合の対応です。
車を手放したので、いつもの通り電車の乗り継ぎとなりますが、今回はおみやげ持参なので乗り継ぎ等が大変です。母との話がそれなりに深刻なので、気分を和らげるためです。
アポイントの時刻がいつもより1時間遅いので、先に亡父の墓参りをすることにしました。お彼岸がもうすぐです。
お墓(共同墓地)は最寄り駅から歩いて10分もないのですが、アップダウンがあり、結構大変です。おまけにお土産の他に、水を入れたペットボトルまで持っています。(小さな共同墓地なのでお水を汲む施設がありません)
なんとかお墓参りを済ませ、その後は道筋の食堂で昼食を食べ、午後2時半に老人ホームに着きました。
最初に施設長と打ち合わせ
まずは施設長と打ち合わせです。
母がホーム内の日常生活で使うお金は老人ホームに預けており、私が老人ホームを訪問する度にお金を補充しています。今回は5万円を補充しました。代わりに預かり証と預けたお金の使用履歴を受け取りました。
次に母の健康状況を確認しました。母は日常的に車いすは必要ないものの、足がかなり弱っており、杖や手すりがないと歩行は不自由なようです。老人ホームに入ってから随分足が弱ってきたようです。
これでは実家に戻って生活するなど無理そうです。
母は抵抗したが・・・
この後は母との面談です。(施設長も同席しています。)
心なしか母の顔に緊張感があります。
まずはお墓参りに行ってきたことを告げ、持参したお土産を渡しました。
私「手紙を読んだよ。やることがなくて暇を持て余しているようだから、毛糸を持ってきた。」(半分は皮肉ですが)
母「それはありがとう。」(次の話を警戒してか、ややぶっきらぼうです)
私「お母さんの気持ちはよくわかった。でも今のお母さんの足の状況では実家では暮らせないよ。まして弟に仕事を止めて介護しろというのは受け入れられない。弟は老後に備えて働いており、それを止めろとは言えない。このまま老人ホームにお世話になるのが一番いいと思う。」
母「私は92歳にもなったのに、今まで子供たちと一緒に暮らしたことがない。一生のお願いと言っているのに受け入れくれないのか。今まで生きてきて少しもいいことがない。」と涙ぐみながら抵抗します。(当然ながら子供の頃は一緒に暮らしており、独立していっただけですが。そのために弟を犠牲にする訳にはいきません。)
私「お母さんの気持ちはよく分かるが、現実にできないことは仕方がない。皆やりたいことができる訳ではない。現実を受け入れて、その中で楽しみを探しながら生活している。お母さんも、老人ホームの生活の中で楽しみを探したらどうか。」
施設長「お子さんたちで話し合ってでた結論ですので受け入れてあげてください。お母さんの今の体ではうちのホームで暮らすのが一番です。もし実家に帰って倒れたら、病院生活となり、お子さんたちが悲しむことになります。一度施設を退去したら、新たな施設は簡単には見つかりません。」
母も簡単には引き下がりません。同じやり取りが3~4回と繰り返されました。
母一人に対し、こちらは二人で説得です。さすがに母も疲れてきたか、あきらめたのか、お墓参りの話など別の話題に移ってきました。
孫の結婚報告に破顔一笑
この機を逃さず次の話題に。
私「一番上のお姉さんが危篤だという報告があった。高齢だし、万一のことも十分考えられる。でも今のお母さんの足の状況ではお見舞いやご葬儀の参列はとても無理だ。私と弟できちんと対応しておくから、安心して任せて欲しい。」
母「わかった。ぜひそうして欲しい。失礼のないように」
葬儀には参列したいと言うかと思っていましたが(年を取ってからも交流がある仲のよいきょうだいです)、意外にあっさりと受け入れてくれました。
老人ホーム退去の問答で疲れてしまったかな?
実際に訃報に接すれば参列したいと言い出すかもしれませんので、申し訳ないですが訃報は葬儀終了後にしようと思っています。
ここまでは気まずい暗い話題が続いたので、最後にとっておきの話を母に伝えました。
私「〇〇(私の長男)が赴任先の中国から4月末に帰国することが決まった。」
母「そうか、それはよかった。」
私「帰ってきたら結婚するそうだよ。6月に家族だけで式を挙げる予定だよ。お母さんは出席できないけど、式が終わったらまた式の写真を見せにくるよ。」
それを聞いて母の顔が一変しました。
母「今日は嬉しい話を聞けてよかった。今まで気になっていたけれど本当によかった。」
本当にうれしそうで、今までの厳しい顔とはうって変わり、満面の笑顔です。
私「つらいこともあるかもしれないけれど、長生きすればまたいい事もあるよ。無理をしないで老人ホームにいれば100歳迄生きていられるかもしれないよ。そうしたらもっといいことがあるかもね。」
と、老人ホームを退去する話に再度駄目だしをしておきました。
母はすっかりゴキゲンで、私が渡した毛糸についても言いたい放題です。
母「同じ色がいいんだけどな。それに暖かくなってきたから編むものがないし。」
私「また買ってあげるよ。冬に備えて編んだらいいじゃないか。」
母「着てくれる人がいないから。〇〇(私の妹)に言ったらいらないと言われた。」
私「娘向けに編んでよ。きっと喜んで貰ってくれるよ。」
母「わかった。今日は墓参りにも行ってくれてありがとう。ずっと気になっていた。」
私「実家のことは心配しないで。老人ホームでゆっくり過ごしてね。」
と、老人ホームへの退去に三度目の駄目だしをしておきました。
母は孫の結婚話で頭が一杯で、私の言うことなど頭に入ってはいないと思いますが・・・
そんなこんなで母との面会時間は約30分、とりあえずの訪問目的は果たせ、笑顔で老人ホームを後にしました。母も笑顔でした。
とりあえずしばらくは老人ホームを退去したいとは言ってこないと思います。
でも母のことですから1年もしたらまた同じようなことを言ってきそうな気がします。
その時はまた説得に行くしかありません。
そうなっても、母は体はともかく頭は元気な証拠ですから、よしとしましょうか。(面倒ですけど・・・)