終身サポートの相談が急増しているらしい
1週間前の朝日新聞の1面に「高齢者等終身サポート事業」をめぐる相談件数が急増しているとの記事が出ていました。
高齢者終身サポート事業とは頼れる身寄りのない高齢者等を対象に、身元保証や死後事務などを担う事業です。
身元保証(病院への入院や介護施設への入所の際の身元保証)、死後事務(葬儀や家財・遺品の整理)、日常生活支援(通院の送迎や買い物への同行など)が身元保証事業の主たる業務です。
従来は家族や親族がこうした役割を担っていましたが、高齢者夫婦二人世帯や単身世帯が多くなり、終身サポートを行う事業者も増えてきたようです。
記事によれば終身サポート事業を行う業者は200以上あり増加傾向にありますが、つれてトラブルも増加しているようです。2023年度の国民生活センターへの相談件数は354件と10年間で4倍に増加しました。
多くの人が信頼できる業者選びに苦労しているようです
私のきょうだいは終身サポートの利用も視野に
私自身も現在は高齢者二人世帯ですが、子供が3人おり、二人の娘は名古屋に住んでいることから終身サポート業者に依頼することは全く考えていません。
ちなみに母は父が亡くなって以降一人暮らしでしたが、現在は老人ホームに入っています。老人ホームや入院の際の保証人は私がなっています。日常生活の世話は老人ホームでしてもらっており、入院の付き添いもしてくれて助かっています。近々予定している遺品の整理(実家を売却するため)が終われば、死後事務も葬儀くらいです。
母も終身サポート業者を利用することはなさそうです。
一方、私のきょうだいはそうはいきません。
弟は一人暮らしです。離婚した前妻との間に子供が二人いますが疎遠になっているようです。
妹はご主人と二人暮らしで子供はいません。もしご主人が先に亡くなれば妹も一人暮らしとなります。
二人とも状況次第では連絡できる身内が私だけという可能性がでてきます。
そうなれば保証人や死後事務を私に依頼してくる可能性があります。
ただ、もし依頼されても基本的には断る意向です。
というのも私は弟より5歳上、妹より7歳上で、私の方が先に亡くなる可能性が圧倒的に高いからです。そもそも高齢者が施設や病院の保証人ななることを認めないケースも多いようです。
シニア総合サポートセンター|シニアの終活総合サポート (senior-ssc.com)
その場合は私の子供に頼むしかなく、それは無理な相談です。また弟は法定相続人が子供だけですから、弟の死後の手続きを頼まれても遺産の処分権のない私には対応しようがありません。
といっても、きょうだいから保証人や死後事務を頼まれたら無下には断れません。その場合は終身サポート業者を紹介しようと考えています。いまのところこれ以外の選択肢はなさそうです。
終身サポートの費用は?
では終身サポートを依頼すると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
調べてみると公益社団法人シニア総合サポートセンターというところの料金がでていました。こちらは三井住友銀行やりそな銀行と業務提携している業者です。
シニア総合サポートセンター|シニアの終活総合サポート (senior-ssc.com)
料金の内訳は
入会金 1万円
年会費 1万円
の他、
総合身元保証サポートの費用(身元保証料、事務管理費、葬儀納骨事務支援費)として1,396,296円が必要になると書かれています。
この他に生活支援費用を発生してから都度払うことになります。老人ホームに入居した場合は施設が大半の生活支援をしてくれるので、あまり発生しないかもしれません。
いずれにしても契約の際に140万円以上のお金が必要になるので業者選びは慎重に行った方がよさそうです。
ちなみにイオンでも同様のサービスを行っていますが、こちらもオプションの葬儀・死後事務費用を入れれば、ほぼ同じような費用体系となっています。
身元保証の料金 | 葬儀・葬式・家族葬なら『イオンのお葬式』 (aeonlife.jp)
公的なサポートも
私の住んでいる名古屋市では「あんしんエンディングサポート事業」として見守りや安否確認サービスに加え、葬儀及び納骨、家財処分、役所の手続き等を死後に代行する事業を行っています。
名古屋市:名古屋市あんしんエンディングサポート事業(暮らしの情報) (city.nagoya.jp)
所得等一定の条件を満たした人が対象となります。してもらえることは民間の終身サポート業者に比べ少なくなりますが、その分費用負担も抑えられています。
私のきょうだいが住んでいる浜松市では、まだこうしたサービスは実施されていませんが、今後名古屋市と似たようなサービスが受けられるようになる可能性もあります。アンテナをしっかり張っておいた方がよさそうです。