リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の71歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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妻の介護のためには実家には住めない

売却やむなしという判断だが・・・

実家の整理をしている際に見つけた水帳(江戸時代の土地台帳)によると、私の先祖は300年前(享保年間)から実家のある土地に住み続けてきたようです。

今回の実家売却で、その歴史が途絶えることになります。

そう考えると、少々罪悪感を感じないわけではありません。

10年くらい前迄は、リタイアしたら実家に戻ることも考えていました。

実家で車いすで生活するのは不便

とはいえ妻が倒れて車いす生活のなってからは、実家に戻る選択肢は消えていました。

第一にバリアフリーの問題があります。

実家は和風の一軒家です。大半が和室(応接間だけが洋室です)で、車いすを使うのは不便です。段差も多く妻と住むには大改造が必要です。特に玄関が高くなっており外に出るにはスロープの設置が必要になります。洋室への改造や手すりの設置、トイレや」浴室の改修など介護保険を使ってもかなりの出費が必要です。

外に出ても道が狭く、車いすの通行には不便です。車いすを押して行ける距離には飲食店などの店はほとんどなく、あってもバリアフリーでないため中に入れません。

我が家ならマンションでバリアフリー構造ですから、車いすでも不便はありません。

妻との外出も気軽にできます。車いすで行ける範囲に飲食店やスーパーが何軒かあり、バリアフリー化されている店も多く、ゆっくり食事や買い物が楽しめます。

その他にも、最近は一軒家を狙った強盗事件が頻発しており、警備面でも不安があります。我が家のマンションはセキュリティが強化されており、安心して生活ができます。

また実家近くには川が流れており、台風が直撃する場合は避難が必要です。ただ、妻を連れて車いすで避難所に行くのは大変です。特に雨の中を移動するのは危険が伴います。何とか避難所にたどり着けたとしても、避難所には介護ベッドもユニバーサルトイレもありません。妻が避難所で過ごすのは極めて厳しいと言わざるをえません。

我が家も川の近くにありますが、1階ではないので、浸水のおそれはなく、避難の必要性は感じていません。

名古屋は障害者に優しい街

もう一つの利点は名古屋が障害者に優しい街であることです。

身体障害者手帳3級以上(妻は1級)であれば医療費(保健診療分)の自己負担がありません。(名古屋市が補助)

妻の場合は1割の自己負担でも薬代が年間約15万円(エンプレルが高額)、大学病院の診療費が年間約2万円、訪問診療が年間約10万円の計27万円がかかります。

一過性の病気ではありませんから10年間では270万円もの出費となります。

これが全額補助されるのですから助かります。

名古屋市以外の政令指定都市ではこうした制度はないようです。もちろん実家のある浜松市にもありません。

また名古屋市では障害者手帳2級以上保持者に対し年間8万円のタクシー代補助があります。(タクシーチケット支給)大学病院への通院がタクシーですので、大いに役立っています。

娘二人も近くに住んでいる

娘二人も我が家を離れましたが近くに住んでおり、休日には顔を出します。

何かあれば娘に介護を頼めるので、いざという時安心です。

実家に住んだら、それも困難です。

こうしたことを考えると実家に住むという選択肢はありません。

やむをえない選択であったと考えています。