まずは場所の特定作業
先日、「相続した農地の処分に動く」ことを今年やることの一つとして書きましたが、実は昨年末にこのブログをみて農地を譲渡してほしいという方があらわれました。
移住して農業もすることを考えているようです。みかん畑に興味があるようです。
正月明けに本人とお会いし、早速売却に向けて動き出すことにしました。
まずは農地法の規制をクリアできるか、農地の現状がどうなっているかを確認しないといけません。
そこで二人で浜松市北行政センター内にある農地利用課(農業委員会)を訪れて売買が可能かどうかのヒアリングをすること、および現地の確認をすることにしました。
行く前に場所の特定をしないといけません。
まずはオンライン公開されている「浜松市地番図」で該当地番を入力し、付近の公図を入手しました。
これをもとに、農地ナビ、グーグルマップ、グーグルアースなどを使って場所を推定しました。
ただ建物が建っている訳ではないので、目印はありません。
あくまでもおおよその位置しかわかりません。
この作業で判明したのは地目が山林となっている土地は本当に山林(山の一部)だということです。私はみかん畑かなと思っていましたが、ただの山林のようです。

農地法の壁は高そう
こんな経緯を経て、昨日二人で役所訪問と現地視察をしてきました。私は車を持っていないので購入希望者の車に同乗させてもらって浜松に向かいました。
まずは農地利用課を訪問し(事前にアポ済)、担当者の話を聞きました。
農地法の許可については買主がこちら(浜松市)に住居を移すことが大前提で、それに加え買主の事業計画、本気度、農業に割ける時間、農機具を買う資力や使いこなす能力、農業経験、生活基盤等を審査するようです。
簡単に許可が出るようなものではないようです。委員会としては農地の購入を認めた後、農業を継続できなくなる(離農する)ことを恐れているようです。
趣旨は理解できますが、そもそも今の所有者(私)は農業をする意思は全くありません。それなら少しでもやる気のある人のい農地を購入してもらって、農業をしてもらった方がよいと思います。現実離れした旧態依然の農業政策を続けていることが休耕地を増やし結果的に過疎化を進めているような気がします。

次に担当者が航空写真で現地を確認してくれました。
地目が山林の場所はやはり本当に山林のようです。
山の一部を所有していることになりますが、場所の特定が可能かと問い合わせてみると
「それは不可能です。境界を示す目印はありません。近隣の所有者と話し合いのうえで境界を決めないと利用できません。山全部を買い取れば自由に利用できます。」
という話です。
現実的に利用はほぼ不可能と考えた方がよさそうです。
一方みかん畑については
「航空写真で見ると、もうみかん畑ではありません。10年くらい放置されているという話なのでみかんの木は全て死んでしまったと思われます。現状はただの山林です。」
という話です。続いて
「現状が山林であれば地目を畑から山林に変更できる可能性があります。ただ該当のみかん畑は青地(農業振興地域内農用地区域内農地)であり、規制が厳しく農業委員会に申請しても許可は出ません。法務局へ直接申請すれば地目変更ができる可能性がありますが、これもいろいろ問題があります。」
という話です。地目が山林になれば売買に農地法の許可は不要ですが、そう簡単にはいかないようです。
最後に私から
「所有者として土地の利用を放棄していることに責任を感じない訳ではない。ただ売却のハードルが高く、今のままでは放置せざるをえない。」
という話をすると、農業委員会の担当者は
「山林とみかん畑については山の中にあるので、放置されていても問題は少ないのではないか。」
という話でした。

みかんの木はどこにいった・・・
役所の打合せが終わった後は二人で現地確認に出かけました。
まずは旧実家近くの畑です。
草ぼうぼうではありますが、夏みかんの木には果実がなっていました。
まだ食べられます。

次に地目が山林の山のあたりを目指しました。
役所の方が言っていたように場所を特定することはできません。
離れた場所から眺めるだけですが、山の一部としか言いようがありません。もちろん畑ではありません。山全体を取得しない限り、何もできません。
最後にみかん畑がある山に向かいます。
こちらは目印があるので、それらしき場所を確認できました。
ただ、みかんの木が見当たりません。

雑木だらけで、役所の方が言っていたようにみかんの木は死滅してしまったようです。
雑木がみかんの木を駆逐してしまったと思われます。
もうみかん畑でゃなく、ただの山林です。
元々戦後まもなく山林を切り開いて開墾した農地です。
耕作放棄することによって、元の山に戻ったようです。
再びみかん畑にするには雑木を取り除いて、それからみかんの木を植えることになりますが、途方もない時間と手間と費用がかかります。
私が相続したみかん畑だけでなく、周辺のみかん畑だった場所も同じような状況になっています。一方で、今もみかんを育てている場所はきれいなみかん畑です。
農地は耕作しないとダメになることがよくわかりました。

購入希望者もこの惨状をみて決断ができたようです。
「残念ながら、この話はなかったことに」
ごもっともです。
私が買う方の立場だったら絶対に買いません。お金を付けてくれるといっても引き取る気はありません。
ということで山林(元々の山林及び元みかん畑)を処分することは現実的には不可能ということを悟りました。死ぬまで持ち続けることになりそうです。役所の方が言っていたように山の中にあるので、放置しておいても地域の方に迷惑をかけることはなさそうです。
相続人である子供たちには迷惑なお荷物かもしれませんが、どうにもなりません。今回のように買いたいという方が現れる可能性も待つしかありませんが、奇跡に近い確率しかなさそうです。たとえ希望者を見つけたとしても農地法の壁があります。
一方、面積は狭いのですが旧実家近くの畑については近くに民家があるので迷惑をかける可能性もあり、近所の方にターゲットを絞って購入を打診することを考えています。

それにしても今週は京都旅行から始まって、帰宅したらマンション共用部の停電で水が出ずトイレで苦労、そして昨日のみかん畑(実はただの山林)を見た衝撃といろいろなことがありました。
旅行から帰った後はろくなことがありません。でもなぜか心身とも元気です。一人暮らしのおじさんには刺激があった方がエネルギーをもらえるのかもしれません。
来週はよいことでエネルギーをもらえますように・・・
