神道の葬儀には誄詞奏上という儀式がある
神道の葬儀(神葬祭)には誄詞奏上(るいしそうじょう)という独特の儀式があります。
誄詞奏上とは、神葬祭や祖霊祭など故人を悼む儀礼で神職が奏上する、追悼・慰霊を目的とした祝詞のことです。
誄(るい)とは古代中国の礼制に由来し、亡くなった人の徳を称え、悲しみを述べる言葉(誄辞) を指します。
その目的は、故人の生前の徳を称える、遺族の悲しみを神前に申し述べる、霊の安寧と守護を祈る、家の繁栄・平安を祈る、といったことにあるようです。
神道の祝詞(特に誄詞)は、故人の「来歴(らいれき)」を神前に正確に申し述べるという性質を持っています。
これは「故人がどのような家に生まれ、どのように生きたか」を神前に報告するためです。

誄詞奏上を行うのは神職ですが、そのためには事前に故人の情報を神職に伝えておかなければなりません。
・故人の生年月日
・出生地
・父母の氏名(または「○○家の子として」)
・家族構成
・結婚・子ども
・生前の行い
・晩年の様子
などを書いたメモの提出が葬儀の前に求められます。
奏上されるのは本葬(神葬祭)の日ですが、通夜の前迄には神職にメモを渡しておかないと、神職も誄詞を作成できません。
喪主は通夜迄に他にもすることが多いので、メモ書いている時間はほとんどありません。
故人の両親名や結婚の日なども書いておかねばいけませんが、突然書けといわれても意外と知らないものです。
父方ならまだしも、母方については一緒に生活したこともなく名前も知らないことも多いと思います。両親の結婚した日も意外と知らない方もおられると思います。
私もその一人です。

祖母の名前が読めない
母はまだ存命ですが、終末期に入った可能性が高く、いつお迎えがあったとしても不思議ではありません。
不謹慎ながら葬儀準備の一環として誄詞のメモを作成することにしました。
前述したように私は母の両親(祖父母)の名前を知りません。祖母には母の里帰りに連れられて何度も会っていましたが、祖父は私が生まれた頃には亡くなっていたようで、顔も知りません。名前など聞いたこともありません。
こうした時に役立つのが戸籍謄本です。
父の相続の際に使用した戸籍謄本が手元に残っていたので、これを元に誄詞のメモを書き始めました。
戸籍謄本には母の出生地、両親の名前、結婚した日が記載されています。
書き始めて、困ったことに遭遇しました。
祖母の名前が変体仮名で書かれており、私には読めません。
こちらが戸籍謄本記載の祖母の名です。

ひらがなの字体のうち、現在は使われていない昔のひらがなを変体仮名といいます。1900年(明治33)の小学校令施行規則により、ひらがなは一音一字に統一されたため、変体仮名は消えてしまいました。母方の祖母はそれ以前の生まれです。
ネットで調べると、変体仮名の一覧表が出てきました。
変体仮名一覧表 - 学術情報交換用変体仮名 | 国立国語研究所
完全に一致する文字はありませんが、おそらく「い」ではないかと思います。
「以」の草書体から生まれた「い」です。
「れい」という名前なら不自然ではありません。他の似た字では名前として不自然な気がします。
昔、母が祖母の名を「れい」と言っていたような記憶もおぼろげながらあります。
母に確認したいところですが、認知症が進んだ今となってはどうしようもありません。
どなたか読める方がいらっしゃるでしょうか?



















