リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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住宅ローンの繰り上げ返済と借り換え

年を取ったらお金は借りられない

ネットにこんな記事がでていました。

www.asahi.com

夫が定年を迎え(定年後も嘱託として再雇用)、退職金で住宅ローン21百万円を一括繰り上げ返済すべきかという質問に、ファイナンシャルプランナー深田晶恵さんが回答しています。深田さんは「退職金は年金収入を補完するための大切な老後資金なので、できるだけ温存してください」と話し、住宅ローンの期間短縮か返済額軽減を勧めています。

この答に特に異論はありませんが、元銀行員として思うところを簡単に触れてみます。

まず一般論として、私なら手元資金が15百万円程度しか残らないのであれば、ローンはそのままにし、期間短縮や返済額軽減もしません。

退職金を受け取った後ですから、今後大きな金額が入ることはまずありません。先々何が起こるかわかりません。

退職金を温存するというのは当然の考え方だと思います。であれば、とりあえずローンには手を付けないのがよいと思います。

もし急にお金が必要になった時、60歳になって収入が減った人に簡単にお金を貸してくれる銀行はありません。金利の高い消費者ローンなら借りられるかもしれませんが、額に限りがありますし、金利負担も馬鹿になりません。

せっかく借りたお金なのですから、先行きの目途が立つまでそのままにしておけばよいと思います。

もう一つの理由は住宅ローンには団体信用生命保険(団信)がついているからです。万一の際には団信でローンが返済され借金は残りません。団信の付保額はローン残高となりますから、繰り上げ返済したらその分団信のカバー分も減ってしまいます。結構有利な保険なので、他の保険を見直して解約整理した方が生活費が浮きます。

借り換えも選択肢

さて、上記サイトのAさんの話です。

この記事にはAさんの金利が明記されていません。

20年ローンが残っていて年間の返済額が144万円(12万×12)ですから20年間の返済額は2,880万円。残債は2,100万円ということですから20年間の金利支払い分は880万円にもなり、結構借入金利が高いと思われます。かっこ書きでボーナス時30万円とありますが、これを含めて月の返済額が平均12万円と解釈しました。

単純に利率を計算すると(880万円/20年/2100万円)2.1%となります。

これだけでも高い利率ですが、返済とともに借入残高も減るので、実際の利率は3%近くになるのではないかと思われます。

これだけ金利が高いのであれば、住宅ローンの借り換えをすれば大幅に返済額が軽減されます。

変動金利か10年固定金利の住宅ローンに借り換えるのです。

finance.recruit.co.jp

将来的な金利変動リスクを抱えることになりますが、その時には繰り上げ返済を検討すればよいのです。(返済原資はあるようですから)

問題は年収が下がることと、借り換え時の年齢が60歳ということで、借り換えに応じてくれる銀行があるかということです。

年収についてはネット銀行は200万円以上が多いですが、りそな銀行なら100万円以上が対象となっており、何とかクリアできそうです。

diamond-fudosan.jp

年齢についても、りそな銀行なら「借入時の年齢が満20歳以上満70歳未満の方で、最終ご返済時の年齢が満80歳未満の方」となっており、クリアできます。

www.resonabank.co.jp

ちなみに上記りそな銀行のサイトでシミュレーションすると

変動金利0.37%で借り換えた場合は、毎月返済額が29,210円減少します。

10年固定金利0.645%で借り換えた場合でも、毎月返済額が26,712円減少します。

なお、借り換えの際には銀行への手数料や登記料等の費用が発生します。上記の例では664,500円が必要です。

これを加味しても変動金利0.37%で通算634万円(年31万円)、10年固定金利0.645%では通算574万円(年28万円)お得になります。

あとは何歳まで働けるか、金利の水準はどうなるか、貯蓄の状況はどうなるかをみて、ある程度先の目安がついた段階で一括繰り上げ返済を行えばよいと思いますが、いかがでしょうか。