登記識別情報が戻ってきた
先週、実家の売買登記のために司法書士に渡していた登記識別情報が郵送で戻ってきました。
上記の登記識別情報綴りは私が亡父の不動産を相続した際に司法書士から渡されたものです。
従来は権利証(権利書)と呼ばれていたものですが、2005年に施行された新不動産登記法によりオンライン化が進められ、今日では権利書に代わり「登記識別情報」が発行されるようになりました。
登記識別情報綴りには個別の登記識別情報通知が綴じられています。
一番下に登記識別情報が記載されています。登記識別情報は12桁の英数字の組み合わせでできており、例えば「174-A23-CBX-53G」などと記載されています。
登記識別情報を他人に知られると悪用される恐れががり、通常は目隠しシールや折り込みシールにより見えないようになっています。必要となる迄(売却時等)開けないのが原則です。実際には登記に際し司法書士が開封するので、売却した実家の識別情報を視る事は最後迄ありませんでした。
開封方法が識別情報の裏面に印刷されています。
登記識別情報通知は土地については地番、建物については家屋番号毎に作成されるため、亡父から相続した不動産については20枚(土地19枚、建物1枚)もの情報通知が作成されています。(たいした価値がないのが残念ですが・・・)
今回の売買で2枚が移転により無効になりましたが、18枚分は有効な情報通知として残っています。
昔の権利書はわかりづらい
実家の整理をしていた時に古い権利書が出てきました。
当然ながらオンライン化以前のもので、「登記識別情報」ではなく「登記済権利証」ないしは「登記済権利書」となっています。
不動産取引においては登記済権利書も登記識別情報もほぼ同じようなものとして取り扱われます。ただ権利書は文書なので手続きには権利書の原本の提出が必要です。
これに対し登記識別情報はパスワードに意味があり、オンライン手続きが可能です。
【登記識別情報通知とは】権利証とは違う?いつ使う?無くしたら? - 不動産名義変更手続センター
昔の権利書を見たことのある方がどの程度おられるか分かりませんが、私は元銀行員なので何度も見ています。非常にわかりづらいものです。
登記申請書を法務局に申請し(通常は司法書士経由)受理されて登記簿に記載されると、法務局から登記済の受付印が押されて返ってきます。これが権利書と呼ばれるものです。
ただ登記印は不動産を取得した時だけでなく、抵当権を設定した時や売却した時にも押されます。
下は抵当権が設定された時のものです。
こちらになると何が何だかすぐには分かりません。
このため登記印が押された書類を持っていても真正の権利書とは限りません。
ちなみに上記3件の権利書に記載された不動産の所有者は父ですが、5年前に亡くなっており私が相続して登記も完了しています。
なぜ残っているかというと、相続登記においては権利書は必要ないからです。旧所有者の除籍謄本で死亡の事実を確認し、戸籍謄本と遺産分割協議書で相続人を確定できれば登記ができます。
写真の書類は権利書ではなく、過去の登記の関係書類といった方が正しいことになります。この書類では登記はできません。
不動産を売却する際には権利書を探すことになりますが、出てきた権利書が使えるかどうかは分かりません。司法書士に現物を見せ、登記簿を照らしてもらって真偽を判定することになります。
権利書と思っていたものが実は権利書ではないことはよくあります。
権利書がなくても登記はできるが・・・
権利書や登記識別情報を無くしても再発行はされません。
ただ、その場合でも登記は可能です。
代替手段(事前通知、本人確認情報)で手続きが可能だからです。
その場合は通常よりも費用や時間がかかってしまいます。
また、もし盗まれた場合は悪用される可能性がゼロせはありませんが、失効させる手続きがあります。
いずれにしても権利書を使う場面は人生で殆どないので、大切に保管しておくにこしたことはありません。
私はずっと貸金庫の保管しています。実家売却でしばらくの間持ち出しましたが、終わったら早速貸金庫に戻しました。