父の時は延命治療を選択せず
父は亡くなる約半年前、認知症が進行したことから認知症治療病棟を備えた病院に入院しました。
入院の際、問われたのが延命治療をするかどうかです。
父はその時点で判断能力はありません。
当時延命治療についての知識はあまりありませんでしたが、
「無理な延命治療はせず、通常の治療を続けてください。」
と答えた記憶があります。
そもそも父と同居していませんでしたので、延命治療の意思を確認したことはありません。
母や弟妹には事後のそう答えた旨を伝え、同意を得ておきました。
延命治療とは、下記の記事に書かれている通り、老化に伴う心身の衰弱や重度の病気などで生命の維持が難しい人に対して、医療措置を施し、一時的に命をつなぐ行為です。
具体的な治療法としては、人工呼吸、人工栄養(胃ろう、点滴)、人工透析などがあります。
メリットは
〇家族が身体的な負担、時間的な制約から解放される
〇終活を行う猶予ができる
ということがあげられています。
一方、ディメリットとしては
〇本人の意思に反して行われることがある
〇医療費の負担が大きくなる(上記サイトによると1割負担でも1日3千円近くかかる)
〇家族に与える精神的苦痛(本人の意識がないまま生かされている状態は、家族の精神的苦痛につながりかねない)
といったことがあります。
父の場合は90歳を超えており、安らかに亡くなったので、結果的に延命治療をしないでよかったと思っています。
母に延命治療の意思を確認
母は91歳になりました。
そろそろ認知症が心配になる年齢ですし、老人ホームに入ってしまうと話ができるタイミングが難しくなります。
正月明けには老人ホームに入る予定でしたので、、正月に帰省した際、延命治療の意思を確認しようと思っていました。
切り出すタイミングが難しかった(唐突に話すと変な反発を招きかねない)のですが、父のことも話に出しながら延命治療をどうするか聞いてみました。
母の回答は
「十分長く生きたから、延命治療をしてまで生きる必要はない。」
ということでした。
予想通りでしたが、延命治療をする気はないようです。
延命治療のメリットである家族の負担の軽減・解放については、母が老人ホームに入ったことでかなり実現されています。終活の問題についても、財産状況は把握しており(預金は私が管理、不動産は私が相続済)時間を稼ぐ必要もありません。
問題は母の意向でしたが、母が延命治療を要望しないのであればこれで問題ありません。
冒頭のサイトでは延命治療を拒否する方法として、リビング・ウィル(事前指示書)や尊厳死宣言公正証書の作成を勧めていますが、そこまでしておく理由が今一私にはわかりません。
現時点では口頭でも本人の意思を確認しておけば十分だと思います。
母の意向が変わる可能性もなしとは言えません。
母の状態次第では、老人ホームと訪問医と私も交えて母の意向を最終確認する場が設けられるかもしれません。
母が入所した老人ホームは看取りまでしてくれるので、とりあえずは老人ホームに任せようと思っています。