母は60代後半で白血病と診断された
母は現在93歳。年初に骨粗鬆症と診断され、骨折が判明しましたが、先月の見舞いの際は大分元気になったように感じられました。今のところ認知症の心配もなく、無理をして転倒するようなアクシデントがなければ、まだまだ生きられそうです。
ただ、母にも生命の重大な危機がありました。
60代後半に急性白血病と診断されたのです。
当時私は名古屋に住んでいたので詳しい状況は分かりませんが、父の話によると、体がだるく微熱がある状態がしばらく続いたので病院で診断を受けると急性白血病と診断されたようです。
当初、父は母の病状をはっきり私に告げず、「血液の病気」と言うのみでしたが、白血病という話は聞かされていたと思います。命に関わる病気であり、父もショックが大きかったと思われます。
その後、治療のため浜松市中心部にある大きな病院に入院しました。
65歳以上での罹患で完治のハードルは高かったが・・・
急性白血病は血液をつくる過程の未熟な血液細胞である骨髄芽球に何らかの遺伝子異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症する病気です。
急性白血病 | さまざまながんの診断と治療 | がんとともに生きる | 社会医療法人宏潤会 大同病院・だいどうクリニック (daidohp.or.jp)
現在は医療技術の進歩で急性白血病は不治の病ではなくなりました。
ただし、これは若い人の場合です。
上記サイトでは、「65歳未満の急性骨髄性白血病では約80%が完全寛解(症状が落ち着いて安定した状態)となり、寛解例の40%前後が治癒するものと期待されています。」と、されています。
ところが、65歳以上となると「完全寛解率は60%台であり、一旦寛解しても多くは再発しますので、ほとんど治癒は期待できません。」と、書かれています。
年齢が若ければ若いほど治る確率が高い病気なのです。強い抗がん剤を大量投与するため副作用も激しく、健康な若い人なら耐えられても、体力のない高齢者が治療に耐えることは困難なようです。
難治性がんに挑む!治療最前線 「急性白血病」 - きょうの健康 - NHK
上記サイトでも、急性白血病の5年生存率は、年齢が高くなるにつれ下がっていき、60歳以上では5~20%とされています。
白血病から奇跡的に生還
入院後、母も継続的な抗がん剤投与を受けました。
このため、病室も無菌室(クリーンルーム)に移りました。
入院期間は1年近くに及んだと記憶しています。
退院したとはいえ問題はこれからです。再発の危険と隣り合わせでした。
寛解となって退院した後は定期的に治療を受けた病院に通院していました。
母の話によると、同じ時期に白血病の治療を受けていた高齢の方は3年くらいの間に知りうる範囲では皆さん亡くなられたようです。
一方、母はその後体調を崩すこともほとんどなく今に至っています。
食事(特に朝食)については気を遣っていますが、それ以外は普通の生活を続けています。その後は病気らしい病気もしたことがありません。
5年生きることも難しいのに、30年近く生きている母は奇跡としか思えません。
母もさすがに90歳を超えたので、どれだけ生きられるかわかりませんが、ここまで生きてきたので余生を楽しんでもらえばと思っています。