保険はOBとのしがらみで加入させられていた
私のいた銀行は関連会社に保険代理店を抱えていました。
銀行だけでなく、大手企業でも関連会社に保険代理店がある企業は珍しくないと思います。
従業員相手に自動車保険や火災保険を売ろうという訳です。
特に銀行の場合は取引先企業も多いですから、紹介も期待できます。
銀行系列の保険代理店の社員は銀行OBが大半です。
現役銀行員にとっては先輩になる訳ですから、無碍に応対する訳にはいきません。
特にOBが現役の時に旧知の間柄となれば尚更です。
OBもノルマ達成のため、困ると銀行員に依頼にきます。
このため、やむなく入った保険が結構あります。
がん保険や自動車保険などは入っておくべきものですが、特に必要性のない交通障害保険(積立式)などは3件も加入させられるハメになりました。
まあ保険はいざという時のためで使わないのが一番ですし、積立保険なら満期になればお金が返ってきます。
銀行時代はそれなりの給料をいただいてましたから、付き合いはやむなしという感じでした。
ただ、保険料は社員だと結構割引がききお得です。特に自動車保険は銀行員の事故率が低いということで、割引率が大きくなっています。OBにも適用されるので、いまでも銀行の系列代理店で契約しています。
保険契約を確認すると⁉
OBに勧められて義理で入った保険に痴ほう介護保険というのがあります。
痴ほうないし寝たきりによる要介護状態になった場合、一時金として100万円、その後亡くなるまで毎年100万円を払うというものです。
保険契約者が私、被保険者が妻で積立型の保険です。
10数年前、銀行のOB会に参加した時、保険代理店のOBからこう言われました。
「あなたに入ってもらった痴ほう介護保険はきちんと説明ができていなかった。保険契約にいう要介護の状態になることはほとんどない。誠に申し訳ない。満期迄解約しなければ、返戻金は銀行の利息よりよいから、利回りのよい預金と思ってあきらめてくれ。」
確かに義理で入った保険だから内容はろくに聞いていません。妻は当時から体の状態が思わしくなかったため(加入の段階で告知しています)、介護が必要になったら助かるなというくらいの気持ちです。確認しない方が悪いので、謝られれば、それ以上文句を言う筋合いはありません。
改めて、要介護状態について確認すると
- 痴ほうによる要介護状態とは、痴ほう(認知症)と診断され、かつ見当識障害があること
- 寝たきりによる要介護状態とは、ベッド周辺の歩行が自分ではできず、次のうち2つ以上が自分ではできないこと(①衣服の脱着②入浴③食物の摂取④大小便のひきとり始末)
となっています。
私の妻は衣服の脱着や入浴が不自由ですが、一部の手助けや介護器具の利用により全くできない状態ではなく、保険契約が謳う要介護状態には該当しません。
介護保険の区分で要介護3(自立や歩行は不可能。排泄や入浴、着替えに全解除が必要。理解力の低下、問題行動がみられる状態)以上に該当するレベルかと思われ、ハードルはかなり高いようです。
要介護認定を受けるには?申請方法から認定後の流れまで徹底解説! | 知っておきたい介護の知識 (irs.jp)
当然ながらこのレベルになると介護サービス利用による保険支給限度額も大きくなり、別に痴ほう介護保険に入る必要性があるかは検討の余地が大きいと思います。
保険契約内容を子供に伝えておくことが重要
ということで、保険料を払い終えた今頃になって、やっと内容を理解したところです。
契約時にきちんと調べておくことが重要ですね。
ただ、結果的に痴ほう介護保険に助けられることがあるかもしれません。
人生なにが起こるかわかりませんから。
問題はこういう保険を契約したことを家族(特に子供)が認識しているかどうかです。
生命保険なら亡くなってから保険金を請求しますが、介護保険は生きているうちに請求しなければ意味がありません。
せっかくの保険を活かすためには、保険契約のリストを作成しておくことが重要です。
私自身は保険リストを作っていますが、しばらくしたら子供にリストを渡そうと思います。
ちなみに私(妻が被保険者分も含む)の保険契約は
生命保険2件(被保険者が私と妻の分)
火災保険2件(自宅マンションと相続した実家)
痴ほう介護保険(被保険者妻)
痴ほう保険(被保険者私)
がん保険(被保険者は私と妻)
と、結構あります。
ちなみに火災保険、自動車保険、がん保険は掛け捨て、残りは積立式で保険料の支払いは終わっています。
どこで保険の世話になるかわかりません。
もう一度、保険契約を確認しておこう!