めったにない神道の葬儀
まもなく父が亡くなって2年になります。
父の葬儀は私が喪主を務めました。
喪主を務めることにあたって一つだけ不安がありました。
我が家は仏教ではなく、神道なので、葬儀は神道で行わなければなりません。
ところが、私自身は仕事柄多くの葬儀に参列しましたが、実は神道の葬儀に出会ったことがありません。
私が神道の葬儀に参列したのは45年前に祖父が死去して以来であり、神道の葬儀がどのように行われたか、よく覚えていません。
覚えていることといえば、お経の代わりに祝詞が唱えられたことくらいでしょうか。
もともとは私の実家も仏教だったようですが、負担が多く耐えられないことから、近所の数軒がまとめて神道に宗旨替えしたと、母から伝えられています。
したがって実家の周りでは神道葬儀はレアではないようですが、大学入学後実家を離れているので、神道葬儀に出会うことはありませんでした。
まずは神主さんを探す
したがって、葬儀社の担当者にアドバイスを受けて葬儀を進めることになります。
神道ですからお坊さんではなく、神主さんに葬礼をお願いすることになります。神主さんは葬儀社では手配してくれず、教えられた電話番号に自分で連絡をし、お願いすることになります。その際、祭祀料(御礼)も直接神主さんに確認しなければなりません。面識はありませんので、依頼の際には結構神経を使います。
実家のあたりには、神主さんは一人しかおらず、連絡を取るのも大変です。私の場合は昼に電話をして、2時間後くらいにやっと連絡がとれました。葬儀場の予定時刻と神主さんの空いている時刻が合わないと調整が大変ですが、何とか時間があって手配は完了しました。ちなみに神主さんへに祭祀料は38万円でした。
儀式も独特
葬儀の儀式も当然仏式とは異なります。
式の進行については、葬儀社の担当者が手配してくれますので、その指示通り対応すれば問題はありません。
神道(神式)の葬式に参列される方へ 神葬祭の流れとマナー (osohshiki.jp)
当然ながらお経ではなく、祝詞が詠みあげられます。
事前に神主から個人の略歴を求められますが、神主は祝詞の中で略歴を詠んでくれます。古来の日本語なので、聞いていると何となく意味がわかります。
注意しておきたいのが仏教の焼香に相当する玉串奉奠と拝礼です。
上記のサイトに玉串奉奠のやり方がでています。
私は喪主で最初に玉串奉奠をおこないますので、事前に葬儀担当者にやり方を教えてもらいました。
もう一つ注意しなければならないのが拝礼。通常神社に参拝する時は、二礼・二拍手・一礼で拍手は「かしわで」といって音をたてますが、葬儀の際は「しのび手」といって音を立てないでそっと打ちます。
しのび手とはなんですか?しのび手の意味 | 大人のためのbetterlife マガジン『enpark』 (en-park.net)
あと、皆で唱えことばとして次の言葉を唱えました。
「遠つ神恵み給え 巌の御霊を幸へ給え(とおつかみえみたまえ いづのみたまをさきはえたまえ)」をくりかえし、最後に「と かしこみかしこみもまをす」と唱えます。
印刷した紙が配られました。
全国共通の唱えことばという訳ではないようですが、その後の50日祭、1年祭でも皆で唱えました。
神道での唱えことばについて | 神社本庁 (jinjahoncho.or.jp)
神道の葬儀は、仏式の葬儀に比べて結構シンプル、かつ祝詞も古来の日本語である程度意味がわかり、これはこれでなかなかよいものです。
また神道では戒名もありませんし、死後の法事も仏教に比べてシンプルです。
戒名に代わって神道では諡(おくりな)がありますが、費用はかかりません。
神道は戒名がない?諡(おくりな)のつけ方も紹介します | 安心葬儀 (ansinsougi.jp)
私には宗教心は全くなく(知識はありますが)、自身の葬儀は神道でよいかと思っています。