父親が老人ホーム入居を拒否
先日、おばの通夜で久しぶりにいとこに会いました。
うち二人はまだ両親が健在です。
一人は私と同い年(71歳)で、両親は共に95歳前後です。
もう一人は私の4歳下(67歳)で、父親は90歳を超え、母親は89歳です。
どちらも父親の状態がよくないようです。
私と同い年のいとこは60歳定年で仕事を辞めたようですが、がんの手術を2年毎に3回もしており体調は万全とはいかないようです。90代半ばの両親二人の世話は体力的にきつそうです。
4歳下のいとこはまだ仕事をしています。ここ数年は実家から通っていたようですが、先月から100kmくらい離れた場所で勤務するようになりました。両親の介護は奥さんがしているのかもしれませんが、こちらも大変そうです。
このため父親だけでも老人ホームに入って欲しいと考えているようですが、頑強に拒否しているようです。
私の母は自分の意志で老人ホームに入りましたが、父親は晩年老人ホームに入ることを拒否していました。
埋まらない世代間ギャップ
かたくなに拒否する背景には親の介護に対する世代間ギャップがあるような気がします。
私たちの両親の世代は子が親の介護をするのは当然という考え方が強く残っています。
生まれたのは戦前です。旧民法の考え方が離れないようです。
特に田舎ではその傾向が強いような気がします。人の移動が少なく、周りの人も同じような考え方ですから、疑念を抱く余地はないのかもしれません。
もう一つ思い当たるのは親の世代が介護であまり苦労していないことが考えられます。
昔は大家族で介護が必要な人がいても、特定の人に負担が集まることはなく、皆で分担していました。(私が小学生の頃、我が家は9人家族でした。)
また、長生きする人も少なく、介護が必要な人も少なかったような気がします。80歳迄いきれば長生きで、90歳を超えて生きている人などほとんど見かけませんでした。
我々の親の世代が思っている「子が親の世話をする」ということは、子が親を介護するという事ではなく、仕事を止めた親の金銭面を子が面倒をみることだと解釈しています。
親の世代にとっては現在の少子化と高齢化の進展を現実問題として理解できていないのかもせれません。90歳を超えて生きていることなど、親の世代は想像だにしなかったことなのでしょう。
これに対し、いとこたちの方は老後に子供の世話になるつもりはないということで一致しています。私も子供に介護して欲しいとは思っていません。
皆、親の介護で苦労しているようなので、同じような苦労を子供にさせたくないという気持ちが強いような気がします。
私自身は親の介護ではあまり苦労していませんが、妻の介護でその大変さは十分理解しています。
それにしても二人のいとこがどう対応するのか気になるところではあります。(私が口を出すべきではありませんが・・・)
いやがる親を無理やり老人ホームへ入れても、新たな問題を生み出しそうです。説得も困難でしょうから、成り行きに委ねるしかなさそうです。
同じような問題を抱えている方もたくさんおられると思います。