リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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不動産の相続

相続不動産を調べる

2年前に父が90歳で亡くなりました。

年が年だけに晩年の数年はボケがはげしくなり、父から事前に相続についての話はありませんでした。

ただ母親はまだ元気であり、相続人も母と私に弟と妹を加えた4人で、連絡もすぐ取れるため、相続財産の分与については問題はありません。

そもそももめる程財産はありません。母親が全て相続することもできます。

問題は父親は農業を営んでいたことから、農地を所有しています。

私は長男ではありますが、結婚してからずっと両親(静岡県在住)と離れて暮らしていたことから不動産の所有状況を把握しておりません。

ということで、相続不動産の調査から始めました。

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権利書の判読は困難

不動産といえば、まず権利書が頭に浮かぶのではないでしょうか。

権利書は所有不動産がある限り大事に保管されていると思います。

ただ、今の権利書(登記識別情報)はコンピュータで作成されていて見やすいですが、昔の権利書は手書きのものもあり、かつ紙もぼろぼろになってきており、判りにくいことこのうえありません。(父保有の権利書の大半がこのたぐいです)

私は元銀行員で担保設定等の実務経験がかなりあり、権利書の見方はよく理解している方ですが、それでも完全には把握できません。一般の方は権利書を見ることなどまずないでしょうから、チンプンカンプンな書類かと思います。

また全て保管できているかも怪しげです。

不動産の相続登記の際、権利書は不要ですので、権利書をあれこれ調べることは徒労と思います。

固定資産の課税明細書を調べる

不動産を所有していれば、市町村から固定資産税が課せられます。

毎年市町村から送付される固定資産税課税明細書をみれば、そこに保有している不動産が表示されています。直近の課税明細くらいは保存していると思われますので、これを確認するのが一番です。

ただし、非課税分については漏れている可能性がありますので、注意が必要です。

父が保有していた土地にも公衆用道路として登記されたものがあり、非課税のため課税台帳から漏れていました。

また、非課税の不動産のみを保有していた場合は固定資産課税明細は送られてきません。住居地や課税不動産所在地以外の市町村で非課税不動産を保有していた場合、調査は厳しいと思います。

固定資産課税台帳を取得

次に、課税明細を基に該当の市町村の役所に行き、固定資産課税台帳(名寄帳)を発行してもらいます。父は浜松市在住で同市内に土地を保有していたので、浜松市内の区役所で手続きをしました。

www.city.hamamatsu.shizuoka.jp

これが相続登記の基礎資料となります。

毎年市町村から送付される固定資産税課税明細書と取得した固定資産課税台帳(名寄帳)を突合し、不一致があれば調査が必要です。

保有分を発行してもらうと、公衆用道路もきちんと掲載されていました。

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なお、複数の市町村で不動産を所有していた場合は、それぞれの役所に出向き発行してもらう必要があります。(遠方の場合は郵送で依頼)

司法書士に相談

固定資産課税台帳(名寄帳)を取得したら、これを持参して司法書士に相談することになります。

不動産の相続が発生する場合は、通常司法書士に登記を依頼することになりますから、そこまで含めてお願いすることになります。

自分で登記することもできますが、ハードルは極めて高いです。

参考までにネットで相続登記を自分でやるサイトをみつけましたので、リンクを貼っておきます。登記の基礎知識があり、相続人が少なく、相続不動産も1~2筆程度であればチャレンジする価値があるかもしれません。ちなみに私の場合、相続登記の司法書士報酬は12万円でした。別途、登録免許税が固定資産税評価額に応じてかかり、自分で登記しても支払が必要です。

jp-better.com

私の場合は会社で懇意にしている司法書士にお願いしましたが、通常は司法書士と接点がある方は少ないと思います。司法書士は原則相続人全員に相続内容を面談して確認することになっていますので、多くの相続人が居住している場所の近くの司法書士の依頼するのが一番と思います。

まず、司法書士に固定資産課税台帳記載の不動産登記簿を閲覧し、所有権、所有権を拘束する権利(抵当権等)等を調査してもらうよう依頼します。

抵当権等が設定されている場合は借金等が残っていることもあり、担保設定者への確認が必要です。父の場合がそうだったように、単純に抹消忘れの場合も多々あります。

その後、司法書士より戸籍謄本(改製原戸籍が必要です)・印鑑証明等、必要書類の依頼があります。相続人全員の書類が必要になりますので注意してください。預金等の相続でも同様の書類が必要となりますから、多少余裕をもって複数部数取得してもらうよう、相続人全員にお願いしておくとよいでしょう。

当然ながらこの間に誰が相続するか相続人の間で協議しておかねばなりません。

誰が相続するかが決まり、依頼された書類が揃ったら、司法書士が相続に必要な書類を作成してくれます。

必要書類に相続人全員が署名して相続登記申請

書類の準備が整ったら、相続人全員(不動産を相続するしないに関係なく、全相続人です)が司法書士事務所に集まり、登記関係書類(遺産分割協議書、委任状等)に署名捺印します。司法書士は相続人一人一人に相続内容に間違いがないか確認をします。

同席できない相続人がいる場合については、司法書士にご相談ください。

その場で書類が出来上がったら、司法書士が登記所(法務局)に登記を申請します。

登記が完了すると司法書士経由で不動産を相続した人に権利書が渡され、相続登記は完了です。

司法書士費用の支払いもお忘れなく。

所有不動産を常に把握しておくことが重要

シニア世代では両親の逝去だけでなく、自分も万一のことがあるケースも想定しておく必要があります。

そのためには両親の所有不動産の明細はもちろんのこと、自らの保有不動産の明細も常に把握しておくことが重要です。

誰が相続する、誰に相続させるかということも重要ですが、まず対象不動産が全て把握されていないと先に進めません。

相続対策よりも相続に必要な情報をいかに共有しておくかが重要です。市販の相続関係の本をみても節税対策が強調されすぎて、肝心な事があまり触れられていないと思うのは私だけでしょうか

 

不動産の相続は結構面倒ですが、これが農地となるとさらにややこしい問題がいっぱいあります。

ここでは紙面が足りませんので、別途アップロードしたいと思います。