年金繰り下げ受給の損得
6月に繰り下げ中の年金をいつから受給するか検討している旨を書きましたが、週刊朝日の記事に繰り下げ試算の話が書かれています。
可処分所得(手取り額)でみると、70歳迄繰下げた場合、83歳から損得が逆転するという試算で、名目でみた損益分岐点81歳を2年上回るとの試算結果がでています。
ただ、ここで控除しているのは税金と社会保険料(健康保険料)ですが、その他にも年金収入が影響するケースがあります。
高額療養費の自己負担限度額が上がる
後期高齢者医療制度に中に、高額医療費については自己負担額を超えた医療費については保険から支払われる制度があります。
自己負担額は所得で決まるため、課税所得が145万円(年金収入で年間265万円)以上になると、自己負担額が一気に上がってしまいます。(愛知県の場合、18,000円が80,100円以上に上がる)
繰り下げして、年金収入が265万円以上になる場合は考慮に入れておいた方がよいかもしれません。
介護保険の利用者負担割合が上がる
介護サービスの利用者負担割合も所得によって変わります。
こちらは所得のバーが高く、単身世帯ですと年金収入が421万円を超えなければ2割負担にはなりません。
公的年金は長生きに備える保険
こうしてみると、さすがに70歳を超えてまで、年金を繰り下げするメリットは小さそうです。
ただ週刊朝日の記事の中にあるように、公的年金は長生きに備える保険であり、個人的な意見ではありますが単純な損得よりも長生きした場合のリスクを念頭に置いて判断した方がよいと思います。