リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の70歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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高齢者世帯の収入と支出

高齢者世帯の収支を家計調査で見ると

2021年の家計調査速報(総務省)が公表されています。

家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2021年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

家計調査は,一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯を対象として,家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査したものです。最近データ書き換えで話題となった建設工事受注動態統計と同じ基幹統計の一つです。

ここでは家計調査から高齢者無職世帯(世帯主が65歳以上の世帯)の2021年の家計収支を勤労者世帯の平均と比較してみていきたいと思います。

下図は年代別の高齢者の月平均の経常収入と実支出(消費支出+税金・社会保険料等の非消費支出)を勤労者世帯と比較したものです。(金額単位;円)

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高齢者世帯の経常収入は月243千円、うち201千円が公的年金収入です。(データは5歳毎の年代別なので、単純平均を計算しました。)

勤労者世帯の収入平均が月591千円ですから、リタイアすることによって収入は4割程度に減っています。

高齢者世帯の収入を年代別に見ると、年代毎の差はほとんどありません。

収入の大半を年金で得ているので、差が出にくいと思われます。

一方、高齢者世帯の実支出は月257千円です。収入から支出を引くと月14千円の赤字となります。

リタイアすると赤字になるが、しだいに解消

収支状況(経常収入-実支出)を年代別にみたのが下図です。

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年代別でみると、79歳迄は赤字ですが、80歳~84歳は収支トントン、85歳以上は黒字となります。65~69歳が39千円(年間464千円)の赤字、70~74歳が31千円(年間377千円)の赤字、75~80歳が20千円(年間238千円)の赤字となっています。これが80~84歳になると収支トントンになり、85歳以上になると22千円(年間263千円)の黒字となります。

収支的にはリタイアして年金受給が始まる60代後半が一番きつく、80歳になる迄は赤字が続くようです。

ちなみにこの15年間の赤字の累計額は540万円となり、貯蓄を取り崩すことになります。

年を取るにしたがって収支が改善し黒字化するのは、実支出が減少するためです。

そこで実支出を消費支出と非消費支出(税金・社会保険料)に分けてみたのが下図です。

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非消費支出は収入によって決まりますが、高齢者はどの年齢層も収入がほぼ変わらないことからほぼ変わりません。

一方、消費支出は年齢が上がるにしたがって減っていきます。その結果、80代に入るとほぼ収支が均衡してくるようです。

高齢者世帯の消費の内訳を見ると

この要因を探るために、勤労者世帯と高齢者世帯の消費支出の内訳を比べたのが下図です。

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保健医療費が増加し水道光熱費がほぼ横ばいなのを除けば、他の支出は減少傾向にあります。

次に年齢が高くなっていくと減っていく支出を調べると下記のものがあげられます。

まずは食料費

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食費は年をとっても急に減るものではないですが、それでも高齢になるにつれ減っています。活動量が減るため、必要なエネルギー量も減ってきます。人それぞれとはいえ、食欲が衰えてくる人も結構います。

次は交通通信費

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こちらは年とともに減っていきます。

外出する頻度が減り、自動車関係の支出が減ってきます。スマホの利用も減るようです。

続いて教養娯楽費

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交通通信費ほど減り方は大きくないですが、年を取る毎に減っています。

年とともに活動範囲が狭くなりますから、外出して娯楽を楽しむ機会が減ってきているのかもしれません。

最後にその他の支出

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65歳代に入ると急に減るのは教育費がほぼなくなるためです。(勤労者世帯の教育費は月19千円)

それ以外の支出も年をとるにつれて減っていきます。雑多な費用(こずかい等)の集まりなので特にどれがとは言えません。食費や水道光熱費、医療費のように生活していくうえで絶対必要なものではないので、年とともに減っているのかもしれません。

いずれにしても年を取れば消費支出が減ってくるので、収支も改善してくるようです。