リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の71歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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相続したみかん畑は国庫に寄贈できるか?

みかん畑の処分が最大の難関

私が相続した不動産は何度かここでも触れてきましたが

実家の土地建物(801㎡)、田(3,217㎡)、みかん畑(8,196㎡)、畑(291㎡)です。

このうち実家の土地建物は売却(時間はかかり、売値も期待できませんが・・・)

田畑は貸し出し(既に一部は農地バンクを通して賃貸中)

で処分や有効活用が可能ですが、最大面積のみかん畑は簡単ではありません。

大半が山の斜面にあり売却は困難、借り手などありません。

どなたかに引き取ってもらいたいところですが、引き取り手などありません。

最後の手段は国や地方公共団体への寄付です。

残念ながらこれも困難です。

前に勤めていた会社では岐阜県の山奥に1万坪の山を保有していました。

これを何とか処分しようと、その山がある市町村に寄贈したいと申し出たことがあります。結果はしっかり断られました。

やむなく懇意の不動産業者に相談して総額1万円で売却しました。売却にあたり手数料が100万円かかりました。

この辺の経緯は、こちらをご覧ください。

不要な土地を処分する - リタイアおじさんのシニアライフ (hatenablog.com)

山の中の土地など引き取り手がないのです。

相続土地国庫帰属法で引き取ってもらえるか

こうした中、相続土地国庫帰属法が昨年4月成立、施行日については未定だったのですが12月に2024年4月27日に施行されることが決まりました。

www.moj.go.jp

本来は所有者不明土地の増加が問題となっていることから、不動産登記制度の改正とともに制定されたものです。

法務省もホームページに特設サイトを設け、ポスター、パンフレットを用意するなど力を入れていることがうかがえます。

相続土地国庫帰属制度の概要は下記の通りです。

f:id:koichi68:20220224084137j:plain

上記法務省のホームページより

この法律の生まれた背景には

① 土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考える者が増加している。
② 相続を契機として、土地を望まず取得した所有者の負担感が増しており、管理の不全化を招いている。 

ことがあり、

所有者不明土地の発生を抑制するため、相続又は遺贈により土地の所有権を取得した相続人が、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度を創設した

とされています。

手続きは、まず法務大臣に申請をします。(所定の手数料が必要です)

申請できるのは

相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により土地の所有権又は共有持分を取得した人です。

f:id:koichi68:20220224084140j:plain

上記法務省のホームページより

私は父から相続により所有権の全部を取得していますから上図の①に該当し、申請が可能です。

申請が受理されれば、法務大臣法務省)の要件審査が行われます。

土地の要件が下図に記載されています。

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上記法務省のホームページより

私が相続したみかん畑は、却下要件には該当しないと判断しています。

問題は不承認要件で

崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
2 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地

は不承認とされています。

まず1の崖に当たる可能性があります。政令が未公布のようなのではっきりしませんが、山の斜面を切り開いた土地なので、崖に該当するかもしれません。

2の樹木が存在する土地には明らかに該当します。みかん畑ですからみかんの木が植えられています。伐採すれば基準をクリアできますが、100本以上の木が植えられており伐採費用や廃棄物処理費用などでかなりの出費を覚悟しなければなりません。

寄贈が承認されると、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金を納めることになります。(20万円くらいになりそうです。)

ということで、みかん畑を国庫に寄贈するのも結構ハードルが高そうで、費用もかかりそうです。

とはいえ法律が施行されるのは1年後ですし、法律制定の趣旨からして運用を厳しくするとますます所有者不明の土地が増えかねません。弾力的な運用を期待しています。

しばらく様子をみたうえで、申請を検討したいと考えています。

これがダメだと、遺贈寄付くらいしか処分の方法は思いつきません。