障害年金の請求
妻は60歳から障害基礎年金を受給しています。
当初は2級でしたが、今年から等級変更を申請し1級になりました。
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の人も含めて受け取ることができる年金です。
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
妻の場合は初診日が専業主婦になってからですから、障害厚生年金は受け取れません。
障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
障害年金の受給手続きは簡単ではありません。
通常の厚生年金や国民年金であれば受給年齢が近づくと日本年金機構から通知が届き、案内に従って裁定請求すれば受給することができます。分からないことがあっても、年金事務所に相談に行けば対応してもらえます。
これに対し障害年金のことを知っている人はあまりいないと思います。障害年金を受給できる要件を満たしていても、制度を知らないために放置されている方も多いと思います。
私も妻の障害の程度が悪くなるにつれて障害年金のことを知ったのですが、実際に受給する迄にはそれなりに時間がかかりました。
年金事務所は障害年金の相談には消極的
私は会社勤めをしていた50代の頃、年金委員をしていました。
年金委員の会合には年金事務所の幹部の方も顔を出すので何度か障害年金について聞いたことがあります。
残念ながら、その都度嫌な顔をされ、話を適当にそらされてまともに聞いてもらえません。
年金事務所にとって障害年金とはタブーのような印象を受けていました。
やむなく社会保険労務士に相談に行ったこともありますが、簡単には受給できないと言うばかりでまともに相談に乗ってもらえません。
結局妻が50代の頃はあきらめていましたが、妻が60歳になる頃「特別支給の厚生年金」の受給手続きで年金事務所に行くことになり、ついでに障害年金について相談してみようと思い立ちました。
年金事務所で障害年金の相談をすると案の定嫌な顔をされました。障害年金は審査が厳しく受給するのは困難であるという話から始まります。
それから1時間以上かけて説明し何とか申請用紙を貰えました。そのために事前にパンフレット等を入手し、妻が障害年金を受給できる状態であることを延々と説明したのです。
最後は年金事務所の方が根負けする形で、書類の書き方等も指導してくれました。
生半可な気持ちと知識では受け付けてもらえませんのでご注意を!
障害の基準がはっきりしない
障害年金の等級は1級から3級まであります。(障害基礎年金には3級はありません)
地方公共団体が交付する身体障害者手帳と連動していればいいのですが、基準は異なります。身体障害者手帳1級の人でも障害年金を必ず受給できる訳ではありません。
逆に手帳の等級が低い場合でも障害年金を受給できる場合があります。妻が障害年金を申請した時、妻の手帳の等級は3級でしたが、障害年金では2級と判定してもらえました。
法令に定められた基準は下記に掲載されていますが、結構あいまいな部分があります。
パンフレットでは障害年金に該当する状態として、下記のように書かれています。
障害2級であれば要介護の状態である必要はありません。パンフレットに書かれているように、活動の範囲が家庭内に限られている状況を具体的の説明することで認められる可能性があります。妻の時は具体的にできない事の事例を挙げて納得してもらいました。
初診日の特定
障害年金を受給するためにはその原因となった傷病の初診日を特定する書類の提出を求められます。ただ、発病してから障害年金が受給できる状態になる迄には時間がかかるケースも多く、初診日の特定は簡単ではありません。
妻の場合は関節リウマチが原因ですが、申請の時点で初診日から既に20年近く経過していました。大半の期間の診療は大学病院ですが、最初は一般の病院です。初診日は分かりませんし、カルテも残っていません。
幸い、大学病院のカルテは最初から残っていたので、何とか認めてもらえました。
最近では、初診日を証明できない場合であっても、初診日を合理的に推定できるような一定の書類により本人が申し立てた日を初診日と認められるようになりました。
ただ、簡単に認められる訳ではなく、説明には工夫が必要なようです。
初診日から何年も経っています。それでも申請できる? | 名古屋愛知障害年金サポート(運営:名古屋総合社労士事務所) (shougainenkin-net.com)
リウマチで障害基礎年金1級を受給できたケース | 名古屋愛知障害年金サポート | 【運営:名古屋総合社労士事務所】 (shougainenkin-net.com)
障害年金についてはハードルが高いことは確かですが、あきらめずに対策を検討するのが大事と思います。