リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の71歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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実家が「管理不全空家」に認定されるおそれは?

空家対策が強化される

今月13日、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(改正空家対策特別措置法)が施行されました。

住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

使用目的のない空家がこの20年間で1.9倍に増加していることに鑑み、除却等を促進し、周囲に悪影響を及ぼす前に有効活用や適切な管理を総合的に強化しようとするものです。

私が相続した浜松市の実家も現在は空家で今後の使用予定もなく、この法律の改正が影響してきます。

改正の概要はこちらの資料(国土交通省)に記載されています。

001621960.pdf (mlit.go.jp)

これ迄も周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家は「特定空家」と認定され、固定資産税の住宅用地特例(面積により1/3か1/6に軽減)が受けられませんでした。

特定空家とは下記の状態にある空家と定義されています。(下記資料の第1章1)

001712340.pdf (mlit.go.jp)

(イ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
(ロ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
(ハ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
(ニ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

今回の改正では、放置すれば特定空家になるおそれのある空家を「管理不全空家」とし、市区町村長から管理指針に即した措置を指導・勧告できるようになります。管理不全空家と認定されると固定資産税の住宅用地特例も適用されなくなります。固定資産税が一気に3倍か6倍に跳ね上がることになります。

管理不全空家とはどのような状態か?

では、どのような状態になったら管理不全空家と認定されるのでしょうか?

こちらの資料(国土交通省)の別紙(下の方)に基準が掲載されています。

001712340.pdf (mlit.go.jp)

抜き出すと、こんな感じです。

建築物等の倒壊

・屋根の変形又は外装材の剥落若しくは脱落
・構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食等
・雨水浸入の痕跡

・外壁上部の外装材、屋根ふき材若しくは上部に存する手すり材、看板、雨樋、給湯設備、屋上水槽等の破損又はこれらの支持部材の破損、腐食等 

・立木の大枝の剪定、補強がなされておらず、折れ又は腐朽が認められる状態

・屋根ふき材、外装材、看板、雨樋等の破損又はこれらの支持部材の破損、腐食等

衛生上の有害となるおそれ

・吹付け石綿の周囲の外装材又は石綿使用部材の破損等

・汚水等の流出のおそれがあるほどの著しい排水設備の破損

・清掃等がなされておらず、常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態

景観悪化のおそれ

・補修等がなされておらず、屋根ふき材、外装材、看板等の色褪せ、破損又は汚損が認められる状態
・清掃等がなされておらず、散乱し、又は山積したごみ等が敷地等に認められる状態

周辺の生活環境への影響

・排水設備の破損等又は封水切れ
・駆除、清掃等がなされておらず、常態的な動物の棲みつき又は多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態

・不特定の者が容易に侵入できるほどの著しい開口部等の破損等

・立木の枝の剪定等がなされておらず、立木の枝等のはみ出しが認められる状態

実家が管理不全空家になる可能性は?

では私の実家が管理不全空家と認定される可能性はあるのでしょうか?

実家が空家になったのは母が老人ホームに入った昨年1月からですから、ほぼ2年が経過したところです。

築後30年以上が経過していますが老朽化は目立つほどではありません。

時々、近くに住んでいる妹が実家に入って空気を入れ替えたり、庭や隣接する畑に除草剤を散布してくれています。

現時点では建物の倒壊や衛生上の問題は生じていないと判断しています。

気になるのは庭に木が植えられいますが、剪定等はしておらず無管理の状態です。

隣家にはみ出すとういう状態ではないのですが、このまま放置するといずれ問題となるおそれがあります。

現時点では実家が管理不全空家に認定される可能性は低いと判断していますが、先々を考えると安心できません。

実家が住まいとして今後利用される可能性はほとんどないので、いずれは処分しなければなりません。

今、実家をそのままにしているのは母の意向を尊重しているためですが、建物の老朽化の進行や行政の対応次第では母が存命中の売却も視野にいれておいた方がよいと思っています。