リタイアおじさんの介護とシニアライフ

名古屋市在住の71歳。要介護4(身障手帳1級)の妻を在宅介護しつつ、シニアライフをそれなりに楽しんでいます。

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サ高住に入るのは?

サ高住は自分で身の回りのことができる人向け

一昨日のブログに書いたデイサービスに新たに通うことになった100歳の女性はサービス付き高齢者住宅(サ高住)にお住まいです。

サ高住は、「安否確認」と「生活相談」のサービスを受けられる賃貸住宅のことです。

【一覧表でわかる】サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違い(費用・入居条件)|みんなの介護 (minnanokaigo.com)

安否確認は施設の職員が定期的に利用者の部屋を巡回するサービス、生活相談はケアの専門職が生活上の悩みや不安などの相談に応じてくれるサービスです。

また、さまざまな生活支援サービスも充実しており、食事の提供も受けられます。(別途費用が必要)

ただ基本的には自立の方などを想定した施設ですので、施設による介護サービスは提供されていません。介護が必要になった時は外部の介護事業所(訪問介護訪問看護、デイサービス等)を利用することになります。

100歳の方も介護が必要になったことから、デイサービスを利用するようになったと思われます。

私の妻も訪問看護やデイサービスを利用しています。

ただ、妻がサ高住に入ることは考えられません。

妻はベッドから車いすへの移乗や着替え、トイレ等日常生活全てに介助が必要です。

入浴等であれば定期的に介護サービスを利用することができますが、トイレ等は不定期に1日何度も発生しますので、その都度介護サービスを利用するという訳にはいきません。

100歳の方は身の回りの最低限のことは自分でできるようなので、サ高住でも生活できているようです。

サ高住のメリットは

介護付き有料老人ホームであれば「特定施設入居者生活介護」により、ホームに常駐している看護師さんや介護士さんに介助をお願いすることができます。

サ高住でも「厚生労働省が定めた運営、設備、人員配置の基準」を満たしておれば特定施設入居者生活介護が適用されフルタイムの介護サービスが適用されますが、こうした施設は多くありません。

ただ、サ高住には有料老人ホームにはないメリットがあります。

まず入居者の自由度が高い事があげられます。外出や外泊に制限がかけられていない施設が大半です。自宅や子供の家に行ったり、旅行に行ったりと行動範囲が広くなります。食事も1食単位で注文でき、部屋のキッチンで自炊したり、外食に行くことも選択可能です。

これに対し介護付き老人ホームでは行動の自由はかなり制限されます。基本的には老人ホームの1日のスケジュールに合わせなければなりません。外出や外泊は制限されています。家族の面会すら事前のアポイントが必要で面会時間も制限されています。

またサ高住は料金が比較的安いうえに、居室も広く(原則床面積は25㎡以上)、設備も充実しています。居室には、台所・水洗便所・収納設備・洗面設備及び浴室を設置することが原則で、共用施設を利用する必要が少なく、プライベートが守られます。

介護付き老人ホームでは入浴は週2回程度ですが、サ高住なら自室の浴室を利用すれば毎日入浴できます。

私の母は介護付き老人ホームに入居していますが、入居当初は要支援2で身の回りのことは自分でできたので自由度の少なさを嘆いていました。

ただ入所して1年くらいで要介護3になったので、結果的には介護付き老人ホームに入れてよかったと思っています。

身の回りのことは自分でできるが一人暮らしに不安を覚えたらまずサ高住に入り、要介護3くらいになったら介護付き老人ホームないしは特養に移るというのが一番理にかなっていると思いますが、施設を変わるのはお金の面や人的関係等で不安があり、そのままという方も多そうです。

介護の囲い込みに注意

先月、ケアマネさんの定例訪問の際にサ高住での介護の囲い込みが問題になっているとの話がありました。

介護の囲い込みとはサ高住の利用者に対し、過剰な介護サービスを提供することです。

介護の「囲い込み問題」は何が問題?今後事業者に求められる姿勢と行動とは? | 介護のコミミ (comimi.jp)

サ高住の入居者は介護サービスが必要になった時、外部の介護事業所を利用することになります。介護のお金は外部事業者の収入となりサ高住の運営業者にはうまみがありません。

このため、最近ではサービス付き高齢者向け住宅に入居したら、併設している自社の居宅支援事業所と契約し、自社の訪問介護を利用し、自社のデイサービスに通わせるというシステムで、家賃以外に介護報酬でも利益を得ているところが増えています。

注意!サービス付き高齢者向け住宅の囲い込み | シニアのべんり箱 (benri-box.com)

適切な介護サービスが提供されているのであれば問題はありませんが、介護区分に応じた支給限度額一杯の介護サービスを利用させようとする業者が増えていて問題となっています。(ケアマネさんもこのことに憤慨していました)

これによりサ高住の運営業者が目いっぱいの利益を得ようという訳です。本来は自立できる人の施設なのに、介護度高い人が優先されて介護の必要のない人はなかなか入所できないということも起きているようです。

妻は要介護4で在宅介護ですが、介護保険の利用限度30,938単位に対し利用しているのは17,586単位ほどです。これで週2回の訪問看護、週1回の訪問リハビリ、週1回のデイサービス、介護ベッドと2台の車いすのレンタルが受けられます。

多くの人は限度一杯のサービスを利用せずとも生活できると思われます。限度一杯の介護サービスが必要であれば、介護付き有料老人ホームに移った方が介護費用も若干安くなりますし、フルタイムの介護サービスを受けることもできます。

厚生労働省も問題視しており、対策に乗り出すようです。

過剰な介護、報酬減で抑制 サービス付き高齢者住宅併設の事業所対象に - 日本経済新聞 (nikkei.com)

冒頭の100歳の方はサ高住の運営業者とは無関係のデイサービスに通っており、囲い込みの心配はなさそうです。