年金額改定通知書が届いた
今週、私と妻に年金額改定通知書が届きました。
妻は60歳から障害年金を受給していますが、私は昨年から年金の繰下げ受給を始めたばかりで、今回が初めての改定通知ということになります。
受給している年金は私が基礎年金と老齢厚生年金、妻は障害年金と老齢厚生年金です。(妻の基礎年金は障害年金を受給しているため支給停止となっています。)
年金額の改定ルールは下記の通りです。
年金額はどのようなルールで改定されるのですか。|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
68歳到達年度前の受給権者は
前年度改定率 × 名目手取り賃金変動率 × マクロ経済スライド調整率
68歳到達年以後の受給権者度は
前年度改定率(再評価率)× 物価変動率 × マクロ経済スライド調整率
となります。
なお68歳到達年以後の受給権者度については、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は賃金変動率が基準となります。
今年の改定については
令和5年4月分からの年金額は前年度からどのように改定されたのですか。|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
物価変動率がプラス2.5%
名目手取り賃金変動率がプラス2.8%
となったことから、68歳以上の受給権者は2.5%が適用されます。
マクロ経済スライドによるスライド調整率がマイナス0.3%、前年度までのマクロ経済スライドによる未調整分がマイナス0.3%ですので、
68歳以上の改定率は
2.5%-0.3%-0.3%=1.9%となります。
68歳未満の受給者は
2.8%-0.3%-0.3%=2.2%となります。
私も妻も68歳以上ですから、今年度の改定で1.9%増えることになりました。
ちなみに年金生活者支援金も改定となります。こちらは物価変動に応じての改定となりますので2.5%のアップとなります。
私は受給していませんが、妻は障害年金生活者支援金(1級)を受け取っていますので、現行の月6,275円が6,425円にアップします。
マクロ経済スライドにより年金額は実質目減り
今年、年金は1.9%増えますが、消費者物価は2.5%も上がっており、実質的には目減りです。そもそも年金調整の仕組み(マクロ経済スライド)自体が、年金水準の実質的引き下げを包含しています。
マクロ経済スライドとは、そのときの社会情勢(現役世代の人口減少や平均余命の伸び)に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。
この仕組みの中で最近の年金額改定の動きが下記の記事に出ています。
この記事をベースに2014年度を100として名目年金額(実際に支給される年金額)、実質年金額(名目年金を消費者物価で除した指数)、消費者物価を示したのが下記のグラフです。
名目年金額(緑の線)が10年間で2.5%増えたのに対し、消費者物価(青の線)は7.9%も上がっており、実質年金額(赤の線)は10年間で5%も下がったことになります。
購買力からみると、年金は実質的に5%減っているということになります。
少子高齢化が進む中で年金制度を維持するためにはマクロ経済スライドの維持はやむをえない面がありますが、私を含め現役の年金受給者は物価動向次第で目減りすることを理解しておいた方がよいと思います。
特に消費者物価の上昇に賃金アップが追いつかない場合は、賃金変動率が基準となるため、年金のアップ率と物価の上昇率が大きく乖離してしまいます。そうなると現役世代も年金受給世代も大変です。
そうならないことを祈ります。