母は年金を繰り上げ受給
母の年金(国民年金)は2カ月分がまとめて入金され、その額は71,118円です。1か月分としては35,559円になります。
令和5年度の国民年金の満額支給額は66,250円ですから、随分差があります。
令和5年4月分からの年金額等について|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
ちなみに入金額は本来の年金額から社会保険料、所得税が控除されています。
母の場合、税金は非課税(所得が少ない)ですが、介護保険料が月1,758円、健康保険料(均等割)が月3,541円控除されていると推定され、控除前の額は40,858円となります。
それでも満額支給額との差は26,000円くらいあります。
これは、母が年金の繰り上げ受給を選択したことに大きく影響されています。
老齢年金(基礎年金(国民年金)、厚生年金)は本来65歳から受給できますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。
年金の繰上げ受給|日本年金機構 (nenkin.go.jp)
ただし、繰り上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額されます。
現行のルールでは昭和37年4月1日以前に生まれた人が60歳から繰り上げ受給を申請すると年金額が30%減額されます。
現時点での満額支給額が月66,250円ですから、60歳から繰り上げ受給をすると年金額は月46,375円に減額されて支給されます。
母の受給額とはまだ6,000円ほど差がありますが、母が繰り上げ申請したのは30年以上も前でルール(計算方法等)も違っていると思われ、年金額を満額納めたかも不明ですので、このあたりに差の原因があったと思われます。
繰り上げ受給をした理由は?
ちなみに亡父は手取りで月49,253円の年金が入金されていました。社会保険料を考慮すると本来の年金額は54,552円くらいになります。金額から推定すると、たぶん父は64歳の時に繰り上げ受給を申請したと思われます。
亡父と母は4歳差です。推測ですが母が年金を繰り上げ受給できることを知り、一緒に繰り上げ申請したと思われます。
では母が年金の繰り上げを申請したのはどういう理由からでしょうか。
一つは健康上の理由です。
母は糖尿病や腎臓を患ったことがあり、自分が長生きするとは思っていなかったようです。
もう一つの理由はずっと農業をしていて定年がなく食べるには困らないため、将来の生活資金について深く考えていなかったと思われます。
老人ホームに入る前の母の生活資金は月84,000円程度、父と二人暮らしの時はもう少しお金がかかったと思われますが10万~12万円程度だったと思われます。食費はある程度自給できますし、父は無趣味でほとんどお金を使いません。固定資産税と保険料は私が支払っていました。
二人合わせて年金の手取り額は9万円程度ですが、足りない分は貯蓄(農地の売却代金)を崩せば何とかなると考えていたようです。(施設に入ることまでは考えてはいないようです。)
年金総額は減ったが、長寿が何より
母は今92歳ですので今まで受給した年金総額は
40,858円×384カ月でおおよそ1,569万円となります。(年金は毎年改定があるので、厳密ではありません)
一方、65歳から受給した場合の金額を58,368円(30%減額されたと仮定)とすると、65歳から今年までの年金受給額は
58,368円×324か月で1,891万円となります。
その差は322万円にもなります。
母は今は老人ホームに入っており、収支は月間10万円超の赤字になります。
母の貯蓄で賄えるのはあと4年くらいで、それ以上長生きすると足りない分は私が負担することになります。
もし、年金の繰り上げ受給を選択しなかったなら、100歳まで生きても私の負担は発生しないことになり、少々残念ではあります。
とはいえ、母が100歳迄生きてくれたらそれはそれで嬉しいことです。私の負担など大したことではありません。長寿をお祝いしてあげたいと思います。