妻の食欲がなくなり
妻が車いす生活になったのは2年前の7月からですが、その頃苦労していたのは食事の問題です。
この頃、妻の食欲が急激に減退、通常の三分の一程度しか食べられなくなりました。
私が食事の支度をしていると、その匂いを嗅いだだけで気持ちが悪くなるといった有様です。
体重は30kgを切りそうな状況になり、命の不安さえ頭をよぎる状況でした。
食べられなくなった原因はいろいろ考えられますが、たぶん尿の排泄不良が一番影響していたと思われます。というのは、9月に膀胱留置カテーテルを装着して尿排泄の問題が解決すると、妻の食欲不振が徐々に回復してきたからです。ただその当時はそこ迄頭が回りませんでした。
その頃に話を戻すと、朝はそれなりに食べられたのですが、昼、夜は殆ど食べられません。
噛む力が弱っているので、柔らかいものを食べさせるよういろいろ試しましたが、なかなか食べてくれません。
宅配の介護食のサンプル(お試しセット)を届けてもらったこともありましたが、あまり口をつけませんでした。
レトルトの介護食も販売されているので、いくつか試してみましたが、なかなか効果が出ません。
エンシュアに助けられ
8月、関節リウマチの主治医に食欲不振のことを相談するとエンシュアを処方されました。
エンシュアは栄養補給のための経腸栄養剤です。
缶に記載されている通り、多くの栄養素が含まれています。
飲みやすいように、いろいろな味がつけてあります。
処方してもらったのは250mlの缶で、1日2缶分を処方されました。コーヒー味、バナナ味、メロン味の缶です。
1日4缶~6缶あれば成人に必要な栄養が取れます。
妻の場合、全く食事が摂れない訳ではありませんから、食事で足りない分の栄養をエンシュアで補うことになります。
甘口のテイストで飲みやすく、妻もエンシュアを服用することに抵抗はありませんでした。
これで栄養面の不安はかなり解消されました。まさにエンシュア様様といったところです。
問題はエンシュアを服用すると下痢をしやすくなることです。このため、一遍に缶を空けるのではなく、何回かに分けて飲むようにしていました。
秋になり食欲が回復
妻は8月末から9月初めにかけて大学病院の泌尿器科に入院、膀胱留置カテーテルを常時着けるようになりました。尿の排泄不良の問題はとりあえず解決しました。
退院後ほどなくして食欲が徐々に回復してきました。食べられる量はすぐに戻りませんでしたが、私の作った料理を美味しそうに食べてくれるようになりました。
10月に入ると妻の食欲もかなり回復してきました。
完全回復とはいきませんが、元気な時の7割くらいは食べられるようになりました。外食にも行けるようになりました。
妻がデイサービスに通うようになったのは11月からですが、食欲の回復が背中を押してくれました。せっかくの昼食が美味しく全部食べられないのでは、寂しいものがあります。
10月半ばにはお世話になったエンシュアの服用も止めました。便が緩くなるので、ある程度食べられるようになれば服用する必要はありません。
今は普通に食事ができています。
噛む力が弱っているので硬い肉などは食べられませんが、豚小間程度であれば問題ありません。
元気に食べられるのが一番です。