年の瀬、母の老人ホームを訪問
本日、母を老人ホーム迄見舞ってきました。
8月以来顔を見せていないので、年末の挨拶を兼ねて会いに行くことにしました。
次女に妻を任せ(年末年始休みで我が家にいます)、例によって列車を3回乗り換えての訪問です。朝9時半に家を出て、帰宅は午後5時。面談時間は30分、残りは移動時間というあまり生産性のないスケジュールではありますが、定期的に顔を見せない訳にはいきません。
とはいえ今回は思わぬ収穫がありました。
実家の処理に進展があったのです。実家の問題についてはこのブログで何回も触れてきましたが、母が70年も住んだ家ですから、母の承諾なしに処分はできません。
どこかで母に話をしなければならないのですが、タイミングを誤ると、かえって問題がこじれてしまいます。そのため、タイミングを計っていましたが、今日のところはまだ時期尚早かなと思っていました。それでも話の流れが向けばとチャンスを伺っていたのですが・・・
お墓の話は相変わらずだが
老人ホームに着くと施設長が入居者を病院に連れていくところでした。急に体調が悪くなったようです。
施設長は私に「次の面接予定は30分後だから、その間ゆっくり話していいよ」と言い残して慌ただしく出ていきました。
母の体調は安定しているようでした。私がおみやげに持っていった脳トレ本(通算4冊目です)を渡すと、
母は「最近は問題が解けなくて、つい答を見てしまう。」
と話したので、私が
「答をみると納得できるの?」
と問いかけると、母は
「ああそうかと思う。問題を見ただけでは答はなかなか浮かばない」
と答えていました。
チンプンカンプンではなさそうなので、92歳とはいえまだ頭は回るようです。体は弱ってきたようですが、認知症の心配はなさそうです。
その後、母が
「次男(私の弟)も代々の墓に入れて欲しい」
と、何度か聞いているお願いをまたしてきました。私が
「俺の方が年上(5歳上)だから先に死んでいる可能性が高い。それに離婚したとはいえ、子供が2人いる(成人しています)から、彼らが決めることで俺に口は出せない。」
と答えると、母は
「離婚しているから子供は関係ないはずだ。」
と相変わらずの口ぶりで納得しません。
この世代の頭の中は未だ旧民法の世界なので、仕方ありません。
弟には子供と連絡を取っておくように話していますが、動きは鈍いようで困っています。万一私の方が長生きしても葬儀等は弟の子供に委ねる予定で、私が動くつもりはありません。(相続等でトラブルの原因になります。)
そもそも実家のお墓については墓じまいを考えているので、母の願いを叶えてあげることは困難です。
母が実家を処分することに同意
そうこうしているうちに、妹夫婦が実家の草取り等をしてくてているという話になり、私が
「いつまでも実家の手入れを妹夫婦にお願いするのも心苦しい。実家も築30年以上経過しており、空家のままだと隣近所にも迷惑がかかる。役所も増える空家の処理に頭を痛めているようだし、取り壊しを考えなくてはいけない時期かもしれない。もう母さんが実家に戻っても生活できないし・・・」
と水を向けると、母が
「売ってしまってもいいよ。自分としては賃貸できれば、その方がいいとは思うけど。」
と、望外の言葉が返ってきました。私が
「借りたい人を探してもいいが、まず借り手は見つからないと思う。売るのも買い手を見つけるのに時間がかかると思うが、可能性はある。どうしても買い手が見つからなければ、とりあえず建物を壊すことも考えてみたい。」
と話すと、母から
「お前の持ち物だし、どうするかは任せる。弟妹にも了解を取っておいてくれ」
という話がでました。そこで私から
「弟や妹には既に話をして了解を得ている。弟妹や隣近所、役所にも迷惑はかけられないので、早急に動きたい。もし母さんが今の老人ホームにいられない事態になっても実家には戻れないが、その時は名古屋の我が家に引き取る。」
という話をしておきました。
という流れで実家を処分するにあたって最初の難関であった母の承諾が意外にすんなりと取れました。
年が明けたら早速実家の処分に向けて動き出そうと思います。
ただ気になるのは母の気持ちが変わること。
老人ホームでの面談の際は、いつもは施設長が同席するのですが、今回は二人だけの会話ですので、後で「そんな事を言ったつもりはない」と言われると証言してくれる人はいません。
もっとも施設長がいなかったことで二人でじっくり話ができ、実家のの処分の話に持ち込めたろいう面もあります。
後でゴタゴタ言われないためにも、さっさと動いて既成事実化することが必要かもしれません。後戻りできない状態になれば母もあきらめると思います。